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先日、「HSE2088」と謳われたクラシック音楽の中古CDを入手しました [音楽を聴いている]

先日、東急東横線学芸大学駅近くのブックオフで中古CDを安価で購入しました。そのうちの一つはロシア出身のピアニストであり指揮者としても活動でも有名なミハイル・プレトニョフ(Mikhail Pletnev 1957年~) の弾くチャイコフスキーとスクリャービンのピアノ作品集(二枚組)で、これまでチャイコフスキーとスクリャービン、それぞれ別々に発売されていた二枚のCDをまとめたセットものでして、そのあまりの安さ(1000円)に、つい購入してしまいました。

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こちらが今回、私が入手したミハイル・プレトニョフ のチャイコフスキーとスクリャービンのピアノ作品集(二枚組)

良い買い物をしたとホクホクしながら、さっそく家に帰り自室でライナーノーツを見ながら聴き始めたのですが、ジャケットの片隅に「HSE2088 Remasterd by Yoshio Okazaki」と記載されているのが目に入りました。

「あれっ、このCDって、そんなに古い録音だったけ?」と慌てて録音年を確認してみると、チャイコフスキーが1994年、スクリャービンが1996年となっています。う~ん、なんだかちょっとモヤモヤしますね。私はこれらのCDのオリジナル盤を聴いたわけではないので、リマスタリングにより、どれだけ「音」が変わっているかは分かりませんが、1990年代の録音であれば、わざわざリマスタリングしなくても十分なのではないかという気がしてなりません。

リマスタリングの問題は、なかなかやっかいです。私は専門的なことは分かりませんが、(音楽とは関係のないところでの)ノイズの除去といったレベルであれば、聴きやすくなっているという点で、リマスタリングする意義はそれなりにあるかとは思います。ただ「高音質化」となると話は別のような気がします。「HSE2088」はハイサンプリング・レコーディングシステムの略だそうで、20bit 88.2kHzマスタリングとのことですが(繰り返しになりますが私はこうした録音技術の専門的なことは何もわかりません)、こうしたCD(レコード)はその当時の「記録」だと思うと、何もそこまで「音」を弄らなくても良いのではと思ってしまいます。

ネットで調べてみると、この「HSE2088 Remasterd by Yoshio Okazaki」は、音にうるさいオーディオマニアの方々には(逆にオリジナルに比べて音が悪くなったと)どうも不評のようです。「HSE2088」の説明文にもあるのですが「更に最新デジタルオーディオ処理技術により、通常人間の耳では聞き取りにくい可聴帯域の情報は極力削り、その分鋭敏な帯域の情報量をできるだけ密にする方法を使い」というところが、(私も含め)皆さんの、多分気に入らないところではないかと思います。ありのままで良いじゃないと思ってしまうのですが、これは(何も分からない私のような)素人の浅はかな考えなのでしょうか? 繰り返しになりますが、1990年代の録音をリマスタリングする必要性はあまり無いような気がします。

私は、ドイツの復刻中心のレーベル「Pearl」のCDを何枚か持っているのですが、このレーベルは「原音そのままの復刻」をモットーとしていて、SP復刻のものとかは、そのノイズの大きさに閉口したものです。ただ、それでも「これがそのままの音なんだ」と納得して聴き、そして、流れてくるその(ノイズまみれの)音楽に感動した思い出があります。

リマスタリングについて、私はこれ以上言う知識は持ち合わせていないので、もうこの話題は止めますが、CDであれレコードであれ、そこにあるのはあくまで「記録」でしかないのではないか、それにあまり手を加えるのは如何なものかと思った次第です。ちなみにプレトニョフの演奏自体はチャイコフスキー、スクリャービン共に中庸なもので、私の期待に応えるものでした。


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