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NHKのテレビ番組「ひとモノガタリ『若者のすべて~失われた世代のあなたへ~』」を観ました [テレビを観ている]

昨日の休日、自宅近くの図書館での資格取得のための勉強を終え、家に戻り家内とお茶を飲みながら寛いでいた時に、ちょうどテレビ(NHK総合)で「ひとモノガタリ『若者のすべて~失われた世代のあなたへ~』」をやっていました。最初は、何の気なしに観ていたのですが、そのうち、私はこのドキュメンタリー番組を食い入るように観ることとなりました。内容は、

フジファブリックのボーカルとして活躍したミュージシャン・志村正彦が亡くなって10年。彼と同年代の人たちはいわゆる「失われた世代」と呼ばれ、就職氷河期の中社会に出て生きてきた。志村の曲はそんな彼らに何を残したのか?これは、一人の若者が人生をかけて残した音楽と、かつて若者だった人たちの物語。
(NHKのホームページ「番組内容」からの引用)

というもので、ちょうど40代を迎えようとする「失われた世代」と呼ばれる(志村氏を含めた周りの)人々の葛藤と必死な生きざまが、彼の故郷、富士吉田から見える富士山や自然の美しさと対比させながら、見事に描かれていて、とても考えさせられるものとなっていました。

「幸せ」が社会から約束されることなく、厳しい就職氷河期中で、早くから挫折を味わっている彼らには、それ以前の世代にはない(辛い思いをしたことによる)繊細さとその裏返しであるやさしさがあります。番組中に出てくる宮城県の女性のエピソードにも、そうした厳しい環境の中でも、「自分らしさ」を追い求める姿と、そうした世代と共に歩み、寄り添った志村正彦(1980年7月10日 ~ 2009年12月24日)の(良い意味での)ナイーブな歌が、本当に素晴らしく、そしていとおしいと感じました。

「人生」って、こんな感じだよなと、年とった私が先輩面をしながら評論家風に言うのは(そんな思いをさせているのが、まさしく私たちの世代だと考えると)とても気が引けるのですが、それでも「人生」って、実はこんな感じなんだと思います。あがいてあがいて、立ち止まることなんてできず、それでもあがき続けていくものだと思います。そして、そうやって今、必死に生きている「失われた世代」を少しでも応援出来たらと心から思います。

今日の朝、通勤電車の中で、インターネトの音楽配信サービスを使って、フジファブリックの「若者のすべて」を初めとする(志村正彦時代の)昔の曲をじっくりと聴いてみました。いつもの電車からの風景が、なぜか、まったく違うように感じられます。(「失われた世代」の)彼らが見ている風景は、もしかしたら、こんな感じなのかな? 周りから押し寄せる大きな不安を感じながらも、それでも自分の中にある小さな思い(希望)を必死で守り育てようとしている姿は、実は、まさしく今の自分自身のような気もします。


こちらはYoutubeにアップされているフジファブリックの「若者のすべて」のPV

久しぶりに、とても考えさせられる番組と「歌」に出会いました。私が観たのは以前、BSで放映されたものの再放送だったようですが、是非、機会があれば観てみてください。自分の失った(失う)ものの大きさと、それでも生きていく勇気をほんの少し得ることができるかと思います。

(2020年3月27日追記)
昨日、在宅勤務をしながらテレビを点けていたところ、ちょうど「ヤマナシ・クエスト 若者のすべて~フジファブリック志村正彦がのこしたもの~」の再放送をやっていました。結局、最初から最後までしっかりと観てしまったのですが(汗)、こちらも良い番組でした。2019年12月でボーカルの志村正彦氏が没後10年になるとのことで、こうした特集番組が組まれたようです。それにしても彼の音楽が与えた影響は色々な意味で大きいのだなあと思いました。偶然とはいえ、こうして彼の特集番組を続けて観ることができて本当に良かったです。



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