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横浜駅近くで靴を修理して貰った後、桜木町のジャズ喫茶店で宮下奈都著「羊と鋼の森」を読み終えました [本を読んでいる]

昨日は午後から外出の機会を得たので、横浜駅近くの「ミスターミニット」で革靴を修理してもらいました。この革靴、たしか2年程前に横浜の高島屋で購入した「リーガル」のものなのですが、踵のラバーがかなりすり減ってしまっていて、これ以上履き続けると土台の部分まで傷つけてしまいそうになっていました。なるべく早く修理したいと思っていたので、この機会にと、修理(と靴磨き)して貰ったという訳です。

修理は20分程で終わり、新たに踵に新たにビブラムソールがはられた綺麗な靴を履いて、今度は桜木町へと向かいます。ふうっ、なんだか、些細なことながらも、喉につっかえていたことが解決して、とても良い気分です。こんな事だったら、もっと早くやって貰えば良かったなどと思いながら、そそくさと電車に乗り、次の桜木町駅で下車しました。

この日は夕方6時から桜木町の寿司屋で、30年来の友人と親交を温める予定となっています。まだ待ち合わせの時間まで1時間半強あります。さて、どうやって時間を潰そうかと思っていると、ふと、近くに昔通っていたジャズ喫茶店「ダウンビート」があったことを思い出しました。このお店は、20年近く前にはよく通っていてウィスキーボトルをキープしたりもしていたのですが、いつの間にか足が遠のいてしまっていました。

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桜木町駅近く、野毛の雑居ビルの2階にある、1956年創業の老舗ジャズ喫茶店「ダウンビート」

お店に続く階段を上って中に入りました。たしか店内は、左側のスピーカー前のスペースはお喋り禁止、右側のカウンターはお喋りOKとなっていたかと思うので、今回は初めて左側のスピーカー前の椅子に座ってコーヒーを注文し、お店自慢のスピーカー「ALTEC A7」から流れるジャズに耳を傾けます。いやあ、本格的なジャズ喫茶店らしい、なんとも良い音です。そして嬉しいことに、なにしろ音がでかいです。これは素晴らしいですね。「(スピーカー前のスペースの)居心地がこんなに良いことが分かっていれば、このお店、もっと前から何度も来たのになぁ…」などと勝手に思いながら、読みかけの文庫本を読み始めました。

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ジャズ喫茶店「ダウンビート」、入って左側の店内の様子

いかにもジャズが好きそうな店員がかけるホレス・シルバー・クインテット+JJ,ジョンソン「Cape Verdean Blues」やチャールズ・ロイド「Montreux 82」の演奏の素晴らしさに、時々本の頁をめくる手を休めて聴き入ります。私にとっては、まさに至福の時間を過ごすことができました。

この日、店内で読み終えたのは宮下奈都著「羊と鋼の森」(文春文庫)です。この本は会社の仲間から勧められて貸してもらったものです。一人前のピアノの調律師を目指す若者が個性豊かな先輩たちや双子の姉妹に囲まれながら成長していく物語でして、2016年の第13回本屋大賞における大賞受賞作とのこと。ハートフルな佳作といった印象を受けました。たまにはこうして日本の小説を飲むのも良いものです。少し心が温かくなりました。

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宮下奈都著「羊と鋼の森」(文春文庫)。羊と鋼はピアノ線の素材のことでもあります。

さあ、もう、待ち合わせの時間です。コーヒー代650円を払って約束していた寿司屋へと向かいました。こうしてこの日、私は充実した一日を過ごすことができました。


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