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今日の朝、録音していたラジオ番組を聴いていて、あることに気付きました [ラジオを聴いている]

今日の朝、通勤途中の電車の中で、前に録音していたラジオ番組を聴きました。それは9月16日(金)にNHK FMで放送された「古楽の楽しみ」でして、金曜日はリクエスト特集で、その中のアンティークの楽器を使った録音を紹介する「古楽博物館」のコーナーでは、アンリ・エムシュ(Henri Hemsch 1700~1769年)が1751年に製作したオリジナルのクラヴサンを使って、セリーヌ・フリッシュ(Celine Frisch)が録音した、ラモーのクラブサン曲集が放送されました。

演奏も素晴らしかったのですが、何と言っても、そのクラブサンの見事な音色に、私は聴き惚れました。高音部の美しさもさることながら、中低音における豊かな響きが本当に素晴らしいです。思わず眼を閉じて、一生懸命この見事な音に耳を傾けているうちに、私はこのクラブサンの音を以前にも聴いたことがあるのではとの思いに囚われました。聴けば聴くほど、以前、これと同じ音を聴いたような気がしてなりません。

インターネットで検索してみて、私はこの自分の思いが正しかったことが分かりました。ブランディーヌ・ヴェルレ(Blandine Verlet 1942年~)が2011年に録音したF.クープランのクラブサン曲集が、同じ楽器を使っていたのです。このヴェルレの録音は私の愛聴盤(このCDを紹介した記事はこちら→http://syoso-chunen.blog.so-net.ne.jp/2012-08-28)で、何度も聴いていたので、クラブサンの音色が耳に残っていたようです。

更に調べてみると、このアンリ・エムシュの1751年製のクラブサンを使った録音は他にもいくつかあり、中には日本人のチェンバリスト、三和睦子さんの演奏によるラモーの作品集もあるようです(私は未聴)。

クラブサン製作者のアンリ・エムシュについては、よく拝見させて頂いているOgawa氏のブログ「私的CD評」内の記事「ラモーのクラヴサン組曲をオリジナルのフレンチ・チェンバロで聴く」http://blog.goo.ne.jp/ogawa_j/e/7e89a3a8f2674c5cb297224c09485972で、詳しく解説されています(勝手に紹介していますが、問題がありましたら連絡下さい。すぐに削除致します)。今日は、ふとしたきっかけでアンリ・エムシュ製作のクラブサンについて、色々と知ることができました。インターネットって、本当に便利ですね。

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写真はCeline Frischの演奏によるJean-Philippe Rameau 「Nouvelles suites de Pieces de clavecin: Suite in G major - minor: VII. L'enharmonique」(CD)

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(2016年11月28日追記)
先日、録音したNHK FM「古楽の楽しみ」(11月18日放送「 リクエスト・ア・ラ・カルト」)を聴いていたところ、クリフトフ・ルセ演奏のラモー作曲「新しいクラヴサン曲集から“エンハーモニック”」をかけるにあたり、使用楽器が件の、アンリ・エムシュ(Henri Hemsch 1700~1769年)が1751年に製作したオリジナルのクラヴサンであると紹介していました。調べてみると、このルセのラモーの全集では第一組曲以外で、この楽器が使われています。このように歴史的な名器となると、色々な名手の録音で使用されているのですね。265年前の楽器ながら他の奏者の演奏と同様、とてもフレッシュで豊かな音色が印象的でした。


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