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ミルバとピアソラによる1988年、東京でのライブCDをやっと手に入れました [音楽を聴いている]

以前、ミルバ(Milva 1939年~)とピアソラ(Astor Piazzolla 1921~1992年)との共演ライブ「エル・タンゴ」について、1988年にミルバとピアソラは来日、当時、社会人となっていた私は、その公演(場所は五反田の簡易保険ホールか新宿の東京厚生年金会館ホール)に行ったこと、そして、この時の来日公演、6月26日の中野サンプラザホールでの演奏がCDとDVDで発売されているのを知ったことを書きましたが(その時の記事はこちら→http://syoso-chunen.blog.so-net.ne.jp/2016-04-04)、その時から1年7か月ぶりとなる11月に、やっと、そのライブCD「Milva&Astor Piazzolla Live in Tokyo 1988」(二枚組)を手に入れ、夢を叶えることができました。

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「Milva&Astor Piazzolla Live in Tokyo 1988」(CD二枚組)

何の気なしに訪れた、横浜、関内にある中古CD・レコードショップ(Disk Union)の商品棚にこのCD(美品)があるのを見つけたことがきっかけになりました。値段は税込みで2,000円程度、新品ですとAmazonでも3,000円近くするので、お買い得となっています。とはいえ、常に切り詰めた生活を強いられている私としては、大きな買い物となります。逡巡したものの、こうした機会が無ければ二度と手に入れることはできないのではと、思い切って購入した次第です。

ライナーノーツを読むと、そもそも、1988年の来日コンサートについてはテレビでオンエアーされた45分の特集番組の音源は存在していたのですが、この音源だけでのCD化は「商品としていささか不完全」と思っていたところ、2009年にNHKが当時、1988年にサブマスターとして録音していた105分のカセットテープを見つけたことで、本CDが出来たとのこと。「正に奇跡的」としか言いようがありません。

聴いてみると、まずは録音状態の良さに驚かされます。同じくライナーノーツには、

ピアソラ五重奏団のような基本的にパーカッションが入らないタンゴ・バンドでは、ビートを刻むリズムの要としてコントラバスがとても重要な役割を果たしている。だが、タンゴをよく知らないエンジニアやミキサーが録音や編集の際に誤った判断をすると、作品の質に大きな影響を与えかねない。ブッフ・デュ・ノールでのライブ盤はまさにその残念な例の一つで、コントラバスの音質がかなり低くバランスが悪いために、全体的に迫力が欠ける結果となっていた。その点、1950年代から内外のタンゴ・アーティストの録音に数多く関わってきたNHKの技術はなかなか優秀で、コントラバスに限らず低域が安定している点でも評価に値する。
(以上「Milva&Astor Piazzolla Live in Tokyo 1988」斎藤充正氏によるライナーノーツからの抜粋、引用です)

とありますが、まさにその通りでして、これまで愛聴してきたブッフ・デュ・ノールでのライブ盤、すなわち「エル・タンゴ~ウィズ・ピアソラ」よりも録音が良い上、収録されている曲数もはるかに多くて、これこそミルバ&ピアソラの決定盤といってよいかと思います。本当に、なんてドラマティックかつ素晴らしい演奏であり歌唱なのでしょう。また、(ライブの日時が異なりますが)自分が実際に聞いた演奏かと思うと、感激もひとしおです。聴いていると自然に涙が溢れてきます。私にとってはジュディ・ガーランドの61年カーネギーホール・ライブ(「Judy At Carnegie Hall」)と並ぶ女性ボーカルのライブ録音の決定盤です。まだ聴いたことのない方は是非、聴いてみることをお勧めします。今度はいつかDVDの方を入手して、あの感動的なライブ演奏をもう一度、この目で観てみようと思っています。


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