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ラベルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」は私の大好きな曲です [音楽を聴いている]

モーリス・ラヴェル(Joseph-Maurice Ravel 1875~1937年)が1899年、パリ音楽院在学中に作曲した「亡き王女のためのパヴァーヌ」(後に管弦楽版の編曲もなされています)は私の大好きな曲です。この曲は、

諸説あるが、ラヴェルがルーヴル美術館を訪れた時にあった、117世紀スペインの宮廷画家ディエゴ・ベラスケスが描いたマルガリータ王女の肖像画からインスピレーションを得て作曲した、とされる。「亡き王女」という題名はフランス語でinfante défunteとなり、言葉の韻を踏む遊びから命名された。ラヴェルによるとこの題名は「亡くなった王女の葬送の哀歌」ではなく、「昔、スペインの宮廷で小さな王女が踊ったような舞曲(パヴァーヌ)」だとしている。
(以上Wikipediaからの引用)

ということで、とても優雅で親しみやすい旋律を持つ、美しい小品です。
これまで、この曲については色々なピアニストの演奏を聴いてきましたが、ワルター・ギーゼキングの、硬質かつ様式美に溢れた演奏が私の一番のお気に入りです。一方、例えば、マルセル・メイエルの演奏は、アルゲリッチばりの、非常に大胆かつ色彩感溢れた、ボリューム感のある演奏で、これはこれで面白いのですが、この小品については、ギーゼキングのように、あくまでもモダンに弾いたほうが、どうも私の好みに合うようです。そういえば、ギーゼキングの演奏スタイルを評して、よく「新即物主義」と言う音楽評論家がいますが、言いたいことは分かるのですが、本質的なところで間違った表現だと思います。「モダン」という言葉こそ、相応しいのではないでしょうか?
ピアノ以外の「亡き王女のためのパヴァーヌ」の演奏では、スイスのフルート奏者であるペーター・ルーカス・グラーフがギターをバックに、Clavesレーベルに遺した演奏(LP)が好きです。昔、中学時代にフルートを習っていた時に、フルートの先生と私、先生の友達のギタリストの三人でアンサンブルを楽しんだことがあり、その時知ったのですが、フルートにとってギターはとても相性の良い組み合わせでして、またこの曲の雰囲気によくマッチしていると思います。今、このLPは実家にあるので、いつも聴ける訳ではないのですが、実家に帰った時は必ず、この演奏を聴きます。僕にとっては、このグラーフとギーゼキングの演奏が「亡き王女のためのパヴァーヌ」のデフォルトとなっているようです。

ギーゼキング・ラベルピアノ全集.jpg
写真は「ギーゼキング・ラベルピアノ全集」(CD) 今回紹介した、ワルター・ギーゼキングとマルセル・メイエルの演奏は著作権フリーの演奏をアップしているサイトから無料でダウンロードし、聴くことができます。

Flute & Guitar Graf, Ragossnig.jpg
こちらは「亡き王女のためのパヴァーヌ」が収められているペーター・ルーカス・グラーフのCD(HMVのサイトには載っているのですが、1994年発売となっています。今は入手が難しいかもしれません)

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