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ユーラ・ギュラーの初出音源である2曲の協奏曲を聴いて… [私の好きなピアニスト]

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「Inedit Youra Guller Ⅲ」(tahra)

昨日、長女が通う学校の演劇大会用のCDを買ってきてと頼まれ、私は久しぶりに横浜駅近くのCDショップを訪れました。その際、何の気なしに商品棚を眺めていると、「Inedit Youra Guller Ⅲ」というタイトルの、ユーラ・ギュラー(Youra Guller 1895~1980)の1958、1959年のライブ音源である、ベートーヴェンとショパンのピアノ協奏曲(4番と2番)がカップリングされたCD(tahra盤)が並んでいるのを見つけました。tahraは最近、精力的にユーラ・ギュラーの未公開録音を発掘しているレーベルですが、私はここのところ、まったくのノーチェックで、この今年4月に発売されたCDのことをまったく知りませんでした。狂喜乱舞しながら慌てて購入し、今、聴き終えたところです。
今、このような演奏をする(というか出来る)人は居ないでしょう。だからといって、単純に「時代」を感じさせる演奏と言って片付けるようなものではまったくありません。何といえば良いのでしょう?「ロマンティック」という言葉はこの演奏のためにあるとしか言いようがないほどの素晴らしい演奏なのです。その上、とても録音状態が良く、演奏終了時の拍手を聴いて、初めてこれがライブであることを知るほどです。どちらの協奏曲においても、二楽章の何という美しさ、ピアニズムの極地とでもいうような演奏が続きます。本当にミューズが舞い降りて、ピアノを弾いているようです。
日曜日の朝、外は昨日から雨が降り続いて、少し肌寒い感じですが、そんな理由ではなく、演奏が続いている間、私は鳥肌の立つような思いを味わい続けていました。このような音楽体験をしたのは、本当に久しぶりです。ぜひ一度、この演奏を聴いてみてください。そこに、妙なる「美」が存在することに、誰もが気付き、そして魅了されることと思います。

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