SSブログ

ジョン・ケージ「鍵盤楽器のための音楽 1935~1948」を聴いて [音楽を聴いている]

最近、朝の通勤電車の中で、ジョン・ケージが鍵盤楽器のために書いた初期の作品(1935年から48年まで)を、ジーン・キルステインが弾いたCD(2枚組)を良く聴いています。
「このレコードの最大の特徴は、ケージ監修(もしくは承認・推薦)のもとでのプリペアド・ピアノの音がきけること」(Amazonにおけるtatsutoshikawamura氏によるカスタマーレビューからの引用です)です。実際に、そのプリペアド・ピアノの音を聴いてみると、何というか、「前衛」を感じさせる、切れ味の良い音ではないかとの浅はかな憶測を、良い意味で裏切ってくれます。むしろ、ガムランに用いられる楽器のような、何とも鄙びた雰囲気の音色であることに驚かされます。というか、ジョン・ケージがプリペアド・ピアノで出そうとした音は、まさしくガムランの音だったのではないかと思うのですが、いかがでしょう?(例えば「バッカナール」等)
これらの初期の作品はどの曲も、非常に魅力的で、聴きやすいものながら、一貫して私の受けた印象を一言で表すと、「残酷な音楽」とでも言うのでしょうか。決して貶している訳ではありません。ただ、この言葉通りの印象を強く受けました。音楽というよりむしろ音世界だというのが、ジョン・ケージを語る正しい表現のような気がします。私は実は、ジョン・ケージの紡ぐ、こうした音の世界が大好きです。

51oK8-wqS6L._SL500_AA300_.jpg
写真はジーン・キルステイン「ケージ:鍵盤楽器のための音楽 1935~1948」(CD)

共通テーマ:日記・雑感