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村上春樹氏のインタビュー集「夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです」を読み終えました [本を読んでいる]

先週末、仮住まいのマンションへの引越し作業に追われる中、村上春樹氏のインタビュー集「夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです」を読み終えました。
前に書いたように、先日、「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」を読み終えた後、彼の本は全て読んでいるつもりだったのですが、この、「アンダーグラウンド」から「1Q84」発売直前までの13年間に亘る、18本のインタービューを纏めた本書を読んでいなかったことに気づき、慌てて図書館から借りてきたという訳です。

インタビュー集ですので、なにか複雑な物語の筋を追うというものではなく、気楽に読むことができました。読んでいて興味深かったのは、彼が、「物語」自体の持つ力というものに対して、非常に深い、信頼・信用の念を抱いていることでした。

「物語というのは、たとえ見栄えが悪くスマートでなくても、もしそれが正直で強いものであれば、きちんとあとまで残るのだということでした」
(本文からの抜粋)

ここでいう、「正直で強いもの」とは一体、どういうものなのか?については余り言及はされてはいないものの(というかインタビュアーは、その点について、彼に踏み込んで聞いてはいません)、それがどのようにして、(彼の場合)自分の中から汲みだされるのかについては、村上春樹氏は聞かれる度に、タイトル通りと言えば良いのでしょうか、それこそ、正直に語ってくれています。彼の書く小説の「たてつけ」のようなものが伺えて、面白かったです。

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写真は村上春樹著「夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです」(文藝春秋社)

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