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三連休の最終日、私は自宅で前から観たかった映画を一人で観ました [映画を観ている]

前の記事で、この三連休の中日に、久しぶりにブルックナーの交響曲を聴いたことを書きましたが、最終日の月曜日も少し、時間が取れたので、前から観たかった映画を一人で観ました。観た映画は「バベットの晩餐会」(「BABETTE’S FEAST」)という、1987年に公開されたデンマーク映画です。あらすじは、

時代は19世紀、重苦しい雲と海を背景にしたユトランドの片田舎が舞台である。マーチーネとフィリパは美しい姉妹だったが、牧師である父に仕える道を選び、清廉な人生を過ごしながら年老いていた。やがて姉妹のもとにフランスから亡命してきた女性バベットが転がり込み、家政婦として働くようになる。牧師の死後、村人の信仰心が衰えを見せていたため、姉妹は父の生誕100年を記念したささやかな晩餐会を催して村人を招待することを思いつくが、バベットは姉妹に対して晩餐の企画を一任して欲しいと願い出た。実はバベットには様々な秘密があったのだ。
(以上、「Wikipedia」からの引用です)

というのもので、映画の後半はこの晩餐会の準備と実際の食事の場面が殆どとなりますが、この映像が何と言っても素晴らしいのです。うまく言えないのですが、見ているだけで生きることの素晴らしさ、人生への讃歌がじわじわと観ている私の中に湧いてきます。私は何度も声を出して笑ってしまいました。決して、おかしくて笑ったのではありません。共感のあまり、自然と笑みがこぼれ、結局、笑ってしまうのです。この映画がアカデミー賞最優秀外国語映画賞を受賞したというのも頷けます。食事の描写だけで、観ている人をそこまでの気持ちにさせてくれるこの映画の実力は本当に凄いと感じた次第です。

素晴らしい映画は観客をもう一段の高みへと誘ってくれます。三連休の最終日、私はとても幸せな体験を得ることができました。

バベットの晩餐会.jpg
        写真は「バベットの晩餐会(HDニューマスター版)」(DVD)

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こちらは映画の晩餐会の一シーン。登場人物の平均年齢は70歳を超えていそうですが、失礼な物言いながら、皆さん、本当に味のある歳のとり方をされていて、その演技は絶妙としか言いようがありません。また、この映画についてですが、前半部分では寒村の美しいながらも厳しい自然と、これまでの経緯や質素な生活ぶりが描写されており、その分、後半部分の暖かな晩餐会の描写との対比が際立っています。尚、原作及び原作者については松岡正剛氏の書評サイトにおける解説(ネタばれを含みますのでご注意ください)が詳しく、また、とても参考になります。
http://1000ya.isis.ne.jp/1483.html

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