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楳図かずおの「わたしは真悟」を読み終えました [漫画を読んでいる]

昨日のお昼にオフィスで私は楳図かずおの「わたしは真悟」を読み終えました。

この作品は1982年から86年にかけて、ビックコミック・スピリッツに連載された漫画です。当時、ちょうど大学生だった私はビックコミック・スピリッツをいつも買って読んでいたのですが、この「わたしは真悟」だけはなんとなく苦手で、読まずに飛ばしていました。最近、とあるブログで紹介されていたことから興味を持ち、30年ぶりに読んでみました。

いやあ、これは本当に面白いですね。なんといえば良いのか、作者の、凄まじい筆力というか、パワーを感じます。作品のテーマは「大人と子供、その、それぞれの世界の断絶と非連続性」ということになるのでしょうが、何度も読み返したいと思わせる、不思議な魅力があります。けっして理性や理窟で書かれている訳ではなく、もっと深いところから湧き出ている作者の衝動のようなものを感じるのです。それが、この作品を不朽のものとしているのではないでしょうか?

昔から楳図かずおの作品のうち、「イアラ」や「まことちゃん」といった作品は良く読んでいたのですが、「漂流教室」や今回の「わたしは真悟」などの作品はこれまで不思議と避けていました。当時、ホラー作品はどちらかというと苦手で(内心怖くて避けていたのかもしれません)、特に楳図かずおと日野日出志の漫画は、予め相当覚悟しないと読めませんでしたね。(苦笑)

これから機会を見つけて、楳図かずおの作品をもっと読んでみようと思います。作者の素晴らしい「子供性」に私はこの歳になって、やっと、なんとか触れることができるようになったようです。

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写真は楳図かずお「わたしは真悟」(小学館コミック文庫)。この作品を解説している以下のサイトが、この作品の本質を鋭く、見事に分析していて、とても参考になりました。
http://strangelove.jp/shingo.html

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