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ブンダヴォエのオリジナルレコードを聴いてみました [私の好きなピアニスト]

先日、「私の好きなピアニスト」で紹介したアニュエル・ブンダヴォエ(Agnelle Bundervoët 1922年~)ですが、この間、運良く、仏デッカのオリジナルレコードを入手することができました。彼女の録音は希少なことから、好事家の間では非常な高値で取引されています。オリジナルのLPですと、二万、三万円で入手できればとても幸運で、場合によっては十万、二十万を超えるような高値で売られています。先日も都内のクラシック専門の中古レコード屋さんで、彼女のバッハのシャコンヌが収めされた12インチ盤が十万円で売られているのを見つけました。(その前にE-Bayで、同じLPが300$程度で出品されていましたが、すぐに売れてしまったようです)

今回、私が入手したのはEP(ドーナッツ)盤で、リストの小品が三曲収められているものです。オークションでなんとか六千円程度で落札することができました。こんなレコードを落札していながら、こういうことを言うのもなんですが(汗)、私は希少盤、オリジナル盤のコレクターではありません。そんな経済的余裕はまったくありませんし、私の所有しているLPは日本盤が多く、それも中古盤は一枚200円、300円といった、安価で入手したものばかりです。それでも、今回、こうして彼女のレコードを入手した理由は、一度、オリジナル盤の音がどのようなものなのか、彼女のピアノの音は一体、どんな音なのか、どうしても確認してみたかったからです。

彼女の録音はCDですと、過去、TAHRAで一度復刻されていますし、他にも自主制作のLP盤起こしのCD-Rでしたら、比較的容易に入手可能です。私はこれまで、これらのCD、CD-Rで彼女の演奏を楽しんできました。そして今回、オリジナル盤を聴いてみた感想は、確かにオリジナル盤の方が生々しく、本来の音の輝きを伝えてはいるのでしょうが、私の駄耳には復刻盤のCDやCD-Rで十分だということでした(勿論、収められている演奏自体はとても素晴らしいものです)。多分、これには私の再生装置の問題も大きく関係しているのでしょう。レコードを本当にきちんと鳴らそうとすると、私の再生システムではまったく不十分で、最低でも二百万円位はかけないと、レコードでCDを越える音を出すことはできません。本格的なレコードの再生システムを構築している方だけが、こうしたオリジナル盤の素晴らしさを引き出すことができるのでしょう。私には、まさしく今回のオリジナル盤は猫に小判ということになってしまいました(泣)。

とはいえ、実際にハイエンドなシステムで聴く、オリジナル盤の音は確かに素晴らしいものがあります。少し話がずれますが、(前にも紹介したように)CBSソニー盤(国内盤)のLPは日本人向けと称した、迷惑な音質加工がオリジナル音源に対して行われていて、かえって音質が劣ってしまっているので、私もクラシック音楽の中古レコードを購入する際はCBSソニー盤だけは、なるべく避けるようにしています。(と言いながら、安さに惹かれてつい購入してしまうのですが…)

私はクラシックについては、このCBSソニー盤以外は、オリジナル盤には拘らないのですが、ジャズとなると話は別です。ジャズでのオリジナルLPの音の素晴らしさというか国内盤との違いは、私の安物の再生システムでも、はっきりと分かります。ジャズのレコードに関しては、値段がそれほど変わらないのであればなるべくオリジナル盤を入手した方が良さそうです。(E-bay等を使えば、比較的安く、ジャズのオリジナル盤は入手可能のようです)

とはいえ、私はどうも、オーディオマニアではなく、音楽マニアということのようです。安上がりと言ってしまえばそれまでなのですが(苦笑)、私はそんな自分で良かったなと思うことしきりです。

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写真は、私が入手したアニュエル・ブンダヴォエのEP。以前、紹介した、四千円程度で入手したホロヴィッツのヒストリック・リターンのオリジナル未開封LPを越え、現在、私の所有する一番高価なレコードということになります。


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