SSブログ

往年の女流ピアニストによるショパンのノクターンの演奏を聴きました [音楽を聴いている]

ショパンのノクターンは私にとって、幼いときから大好きな、そして少し特別なピアノ曲集です。それぞれ単独の曲では、ディヌ・リパッティ(Dinu Lipatti 1917~1950年)の8番やウラディーミル・アシュケナージ(Vladimir Ashkenazy 1937年~)の17、18番、そして最近ではマリラ・ジョナス(Maryla Jonas 1911~1959年)の19、20番(これらはCDに収録されていますが、他にもレコードでは1、2、6、9、15番の素晴らしい演奏が遺されています)やヨウラ・ギュラー(Youra Guller 1895~1980年)といった、色々なピアニストによる素晴らしい演奏があるのですが、ショパンのノクターン全曲となると、私にとっては、大学生の時に購入したアルトゥール・ルービンシュタイン(Arthur Rubinstein 1887~1982年)のノクターン全集(LP二枚、20、21番は未収録)がデフォルトとなっています。他にクラウディオ・アラウ(Claudio Arrau 1903~1991年)やフー・ツォン(Fou Ts'ong 1934年~)、ギャリック・オールソン(Garrick Ohlsson 1948年~ )などのCDも持っているのですが、これまで、専ら、ルービンシュタインの演奏ばかり聴いていました。

こうして、これまで30年以上も、ルービンシュタインの演奏をよく聴いてきた訳ですが、最近、ふとした機会でリヴィア・レフ(Livia Rev 1916年~)のノクターン全集を聴き、とても新鮮な感動を得ました。何と言えば良いのか、とても音楽的というか、ピアニスティックな演奏で、何度聴いても飽くことがありません。そして、この演奏を知ったことで、他のピアニストによるノクターンの全曲録音にも興味を覚えるようになりました。

こうして、色々なピアニストによる演奏を聴いてみて、特に素晴らしいと思い、今回、皆さんに紹介するのは二人の女流ピアニストによるものです。一人はモーラ・リンパニー(Moura Lympany 1915~2005年)、そしてもう一人はギオマール・ノヴァエス(Guiomar Novaes 1895~1979年)です。どちらもYoutubeに全曲演奏がアップされていました。モーラ・リンパニーはイギリス、ギオマール・ノヴァエスはブラジルと、どちらもショパンの生まれたポーランドとは異なる地で育ったピアニスト(ちなみにリヴィア・レフはハンガリー出身)ですが、伝統に則った、情感豊かな、本当に素晴らしい演奏です。

リヴィア・レフといい、モーラ・リンパニー、ギオマール・ノヴァエスといい、ショパンに対する、魂の奥底からの共感のようなものが、夫々の演奏に感じられ、心打たれます。これらの演奏は、聴いた者に何かとても大切なものを伝えてくれます。是非、一度聴いてみてください。

81sDKw1fOBL._SL1500_.jpg
写真はリヴィア・レフ「ショパン ノクターン全集」(2CD)


共通テーマ:日記・雑感