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昔読んだ少年漫画のこと [漫画を読んでいる]

最近、羽海野チカさんの漫画(「3月のライオン」「ハチミツとクローバー」)を立て続けに読んだことを書きましたが、今回は私が、大学生ころまでに読み、親しんだ(少年)漫画や漫画家を簡単に御紹介したいと思います。

小学生の時(主に1970年代前半)は低学年の頃は「冒険王」、高学年になってからは「少年サンデー」「少年マガジン」等を良く読んでいた(当時は貸し漫画屋から借りていました)のですが、夢中になったのは何と言っても石ノ森章太郎の「サイボーグ007」(秋田書店)です。これは単行本を全巻持っていて、何度読み返したか分からないほど、読みました。今、思い返してみると、ベトナム戦争が舞台となっていたりと、特に作者の「反戦」への思いが顕著な、なかなかハードな内容だったかと思います。他には、日野日出志(「地獄の子守唄」「蔵六の奇病」等)や楳図かずお(小学生のころは「おろち」でした、「イアラ」は高校生の時に夢中になって読みました)も、親に隠れてよく読んでいました。特に日野日出志の漫画は本当に怖かったです。

中学、高校時代(主に1970年代後半)は白土三平と手塚治虫の漫画を良く読んでいました。小学生の時にテレビ放映された「鉄腕アトム」「ジャングル大帝」や「サスケ」が大のお気に入りだったこともあり、自然と彼らの漫画も読むようになりました。白土三平ですと「忍者武芸帳 影丸伝」「サスケ」「カムイ伝」「カムイ外伝」等、手塚治虫となると余りにも多くて、挙げきれないですが、その中でも印象に残っているのは「人間昆虫記」「時計仕掛けのりんご」「ばるぼら」「鉄の旋律」「地球を呑む」といった大人向けの漫画です。高校生の頃、顕著だった、大人への憧れと大人になることへの不安のようなものが、こうした嗜好に反映されていたのかもしれません。

大学時代(1980年代前半)は、予備校仲間で、当時大阪大学に通っていた友人の影響もあり、「月刊漫画ガロ」とそれに連載していた作家の漫画を良く読んでいました。漫画家では、つげ義春、つげ忠男、泉昌之、蛭子能収、安西水丸、渡辺和博、ひさうちみちお、平口広美等が今でも記憶に残っています(ひさうちみちおや平口広美は「漫画大快楽」誌での連載の方が多かったかもしれません)。大学時代に、その友人と一緒にガロ編集部に遊びに行った(編集部はガラガラで殆ど人もいなかったです)ことも、とても、懐かしい思い出です。Wikipediaによると、当時、「ガロ」は人気が低迷していたそうなのですが、新人漫画家を次々を発掘していて、雑誌自体はとても面白かったです。

こうしてみると、私にとって、(少年)漫画は常にサブカルチャーで在り続けたことに気付かされます。ちょっといかがわしく、怖くて、危なくて、なんとなく隠れて読むもの、それこそが漫画でした。今ですと、2チャンネルやニコニコ動画、アニメやゲームといったところが、そうした役割を果たしているのでしょうが、私のような世代ですと漫画や雑誌といった紙媒体に頼るしかありませんでした。現在ではもう漫画はサブカルチャーとしての役割はほぼ終え、コスプレや同人誌といった周辺領域がサブカルチャーとなっていますね。テクノロジーの進展とインターネットの普及が、こうしたサブカルチャーのあり方自体にも大きな影響を与えたことに、今更ながら、気付かされました。

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写真は鈴木翁二「麦畑野原」(而立書房)。昔、読んだ漫画は全て散逸して(捨てられてしまって)いて、今、九州の実家に残っている漫画はこの一冊だけでした。この漫画は装丁が普通の本のようなので、小説だと勘違いした母親が処分せずに本棚に残していたのだと思います。本書に収録されている「水道眼鏡殺人事件」は、かなりインパクトの強い(グロい)作品でして、読んだ当時(大学生時代)、強烈な印象を受けたことを覚えています。
Wikipediaの「白土三平」の項をみると、「『ガロ』はもともと白土の新作『カムイ伝』のための雑誌として創刊されたもの(以上、Wikipediaからの引用)」との解説があります。そういうことを考慮すると、私は特に中学生の頃から「ガロ」から大きく影響を受けていることになります。
この記事を書いていて、ふと懐かしく思い出したのですが、大友克洋の「GOOD WEATHER」の出版社である奇譚社の不定期刊行の雑誌「奇譚」を当時、大阪大学に通っていた友人と読んでいました。これら(「GOOD WEATHER」「奇譚」)はまだ実家にあるかもしれません。今度、帰省した時に探してみようと思った次第です。
尚、中学、高校生時代は白土三平、手塚治虫以外では、どおくまんの「嗚呼!!花の応援団」や本宮ひろ志の「俺の空」といった、当時流行った漫画も好んで読んでいました。こうしてみると、当時、結構な量の少年漫画を読んでいたことに驚かされますね。