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ピアソラ、そしてミルバとの共演ライブ「エル・タンゴ」について [音楽を聴いている]

この週末、片山杜秀氏がMCを務めるNHK-FMのラジオ番組「クラシックの迷宮」を聴いていると、今年で生誕百年を迎えたアルベルト・ヒナステラ(Alberto Ginastera 1916~1983年)の弟子として、アストル・ピアソラが紹介され、彼の学生時代の習作となる「ピアノ・ソナタ 第1番から 第1楽章プレスト」、そして代表作となる「リベルタンゴ」が流れてきました。

私にとってアストル・ピアソラ(Astor Piazzolla 1921~1992年)は特別な音楽家です。私が初めてピアソラのことを知ったのは、三十年程前、大学生の時に何気なく聞いていたラジオ(たしかこちらもNHK-FMだったかと思います)で後期五重奏団の演奏を聴いた時です。その美しく現代的、そしてタンゴならではの情熱的な演奏は、私を一度に魅了しました。どうしても、もっと彼の音楽を聴きたくなり、秋葉原の石丸電気で83年10月のウィーンでのライブ録音を収めたCDを購入(当時、CDはまだ高く、貧乏学生だった私は、このCDを買う時にとてもドキドキしたのを今でも覚えています)、そして「ブエノスアイレスの夏・冬」「アディオス・ノニーノ」といった、彼の素晴らしい楽曲と演奏を聴き、このCDは私の一生の宝物になりました。

その後、86年に出された「Tango Zero Hour」を聴き、更に彼の音楽の魅力に夢中になり、もっと彼の音楽を聴きたいと思って購入したCDが、

「カンツォーネの女王ミルバと後期アストル・ピアソラ五重奏団とが1984年に残したライブ作品」(Amazon、日向葵氏の「カスタマーレビュー」からの引用です)

となる「エル・タンゴ~ウィズ・ピアソラ」です。このCDは先の「ライブ・イン・ウィーン」と共に本当によく聴きました。なんてドラマティックかつ素晴らしい演奏であり歌唱なのでしょう。私にとっては、ジュディ・ガーランドの61年カーネギーホール・ライブ(「Judy At Carnegie Hall」)と並ぶ女性ボーカルのライブ録音の決定盤となっています。

その後、1988年にミルバとピアソラは来日。当時、社会人となっていた私は、その公演(場所は五反田の簡易保険ホールか新宿の東京厚生年金会館ホールだったかと思います。もし厚生年金会館であったのであれば6月29日ということになります)に行きました。ピアソラというバンドネオンの神様が私の目の前で演奏しているなんて・・・聴いている私の方が緊張してボーっとしてしまい、まさに夢の中にいるような気持ちになったことを今でも覚えています。

この時の来日公演、6月26日の中野サンプラザホールでの演奏がCDとDVDになっていることを、昨夜、私はネットで知り、狂喜乱舞することとなりました。これはいつか、何としても手に入れて、聴いて(観て)みなければ・・・また一つ、退院後の夢が増えましたね。
頑張らなくっちゃ。

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こちらがアストル・ピアソラ「ライブ・イン・ウィーン」。Vol.1となっていたので続編が出るのではと期待していたのですが、結局、ウィーンでのライブ録音はこの一枚限りだったようです。

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そして、こちらがミルバ「エル・タンゴ~ウィズ・ピアソラ」。アマゾンを見ていると、今回紹介した、この二枚のCDはいずれも現在、、廃盤となってしまっているようです。ピアソラ人気の一方で、これらの素晴らしい貴重な音楽遺産が入手困難となっているなんて、ちょっと信じられないです。


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