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アストル・ピアソラとゲイリー・バートンのライブCDを手に入れました [音楽を聴いている]

先日、平日に休暇をとって、横浜、関内をぶらぶらしていた時に中古CDショップ(Disk Union)でアストル・ピアソラ(Astor Piazzolla 1921~1992年)とジャズ・ヴィブラフォン奏者、ゲイリー・バートン(Gary Burton 1943年~)の共演ライブCDが安価(700円程度)で売られているのを見つけて、思わず買ってしまいました。

私が購入したのは、1986年7月17日にスイスの「モントルー・ジャズフェスティヴァル」でのピアソラ楽団とゲイリー・バートンのライヴを収録した「THE NEW TANGO」というCDです。さっそく家に持ち帰って聴いてみたのですが、なかなかの演奏だと感心しました。

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ピアソラ音楽楽団とゲイリー・バートンのライヴを収録した「THE NEW TANGO」(CD)

いうまでもなく、アストル・ピアソラはタンゴの革新者ともいえるバンドネオン奏者でして、「タンゴを元にクラシック、ジャズの要素を融合させた独自の演奏形態を産み出した」(以上、Wikipediaの解説文からの引用です)、没後25年以上経った今でも、様々ななジャズ、クラシック演奏者からトリビュート盤がでるほどの、20世紀を代表する音楽家です。

私がこれまでブログにアップしたピアソラの記事はこちらです。
「ピアソラ、そしてミルバとの共演ライブ「エル・タンゴ」について」
 →http://syoso-chunen.blog.so-net.ne.jp/2016-04-04
「ミルバとピアソラによる1988年、東京でのライブCDをやっと手に入れました」
 →http://syoso-chunen.blog.so-net.ne.jp/2017-12-16

私にとってゲイリー・バートンは、1972年に録音されたジャズ・ピアニストのチック・コリア(Chick Corea1941年~)との共演(デュオでの演奏)を収めた「クリスタル・サイレンス」での、透明感に溢れたリリカルで落ち着いた演奏が特に記憶に残っていて、こうした彼の演奏スタイルがアストル・ピアソラのダイナミックでエモーショナルな演奏とどう絡み合うか、少し不安だったのですが、全くの杞憂でした。ここではゲイリー・バートンのテンションの高い、豊かなヴィブラフォンの響きがうまくマッチングしていて、とても素晴らしい演奏となっています。

ただ、一つだけ気になったのが、このCDに収められたのは、いずれも、とても素晴らしい密度の濃い演奏でありながら、革新者としてのピアソラの姿が余り感じられなかったことです。(言い過ぎかも知れませんが)粗放とも言っても良いゲイリー・バートンに比べると、ピアソラの演奏はどこか平凡というか、うまくまとまりすぎている印象を受けます。どこかのブログで実はピアソラはこの演奏に満足していなかったとの記述がありましたが(真偽は不明です)、なんとなく分かる気もします。

とはいえ、聴いているうちに、次第に熱を帯びてくる二人の演奏は素晴らしく、高次元のライブ演奏であることには変わりがありません。文句もつけましたが、やはり名盤と言っても何の過言もないかと思います。

こうして、私はとても素晴らしいコンテンポラリーなジャズ・タンゴ音楽を聴くことができました。暫くは折に触れてこのCDをCDプレーヤーのトレイに載せることになりそうです。


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