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ブランディーヌ・ヴェルレの弾く、フローベルガーのチェンバロ曲集を聴きました [音楽を聴いている]

昨夜、自室で久しぶりにブランディーヌ・ヴェルレ(Blandine Verlet 1942~2018年)が2000年、コルマールのウンターリンデン美術館で録音した、初期バロック音楽を代表するドイツ人の作曲家、フローベルガー(Johann Jakob Froberger 1616~1667年)のチェンバロ曲の演奏をCDで聴きました。

何度も記事にしていますが、彼女はフランスの人間国宝ともいうべき女流チェンバリストで、特にフランソワ・クープランの演奏を得意としていて、そのエレガンスの粋とも言える演奏はまさしく人類の宝とも言えるものです。昨年末に残念ながら亡くなりましたが、私は彼女の録音を今でも機会のあるごとに収集し(彼女のCD、LPはその録音の優秀さと稀少性から、中古市場でもとても高価で入手が非常に困難なのが最大のネックです)、楽しんでいます。

彼女の弾くフローベルガーのチェンバロ曲については、CDでは1989年と、この2000年の録音による演奏を聴くことができます。フローベルガーについてはオランダの鍵盤楽器奏者、グスタフ・レオンハルト(Gustav Leonhardt 1928~2012年 )のものが何と言ってもすばらしく、普段はいつもレオンハルトで楽しんいますが(そのことを書いた記事はこちら→https://syoso-chunen.blog.so-net.ne.jp/2011-05-16、ヴェルレの演奏もなかなか良いものです。

この2000年の録音では、ウンターリンデン美術館所蔵のハンス・ルッカース2世、1624年製のクラヴサンを使用しており、その音色と演奏はとても見事ですばらしいもののですが、演奏中に頻繁に入る小鳥のさえずりがとてもめずらしいものとなっています。まるで音楽に合わせているかのような、小鳥たちのさえずりが、この録音を異色のものとしています。

以前、ソビエトのピアニスト、リヒテル(Sviatoslav Richter 1915~1997年)が1972年にザルツブルグで録音したバッハの平均律の演奏において、小鳥のさえずりが聞こえると話題になったことがありますが、こちらの演奏は、その比ではなく、とても頻繁に、そしてよく聞こえます。それが邪魔にならず、なんとも良い雰囲気を醸し出しています。

こうして私は小鳥のさえずりと共に、ブランディーヌ・ヴェルレの弾くフローベルガーのチェンバロ曲の演奏を楽しみました。

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ブランディーヌ・ヴェルレ「フローベルガー チェンバロ曲集」(Astree)


そしてこちらはYoutubeにアップされている、ブランディーヌ・ヴェルレのルイ・クープランのクラブサン全集。中古でCDを見かけることはありますが、そても高価で、私には到底手に入れることはできません。そこで私は専ら、こちらで彼女のルイ・クープランの演奏を楽しんでいます。

ちなみに、これまで彼女について私が書いた記事はこちらとなります。興味のある方は読んでみて下さい。

「仏Astreeは私の憧れのレーベルでした」
 →https://syoso-chunen.blog.so-net.ne.jp/2010-08-22
「ブランディーヌ・ヴェルレの弾くクープラン作品集を聴きました」
 →https://syoso-chunen.blog.so-net.ne.jp/2012-08-28
「今日の朝、録音していたラジオ番組を聴いていて、あることに気付きました」
 →https://syoso-chunen.blog.so-net.ne.jp/2016-09-23
「ブランディーヌ・ヴェルレのクープランの新録音のCDを入手して聴いてみました」
 →https://syoso-chunen.blog.so-net.ne.jp/2019-01-11
「ブランディーヌ・ヴェルレの訃報に接して…」
 →https://syoso-chunen.blog.so-net.ne.jp/2019-01-23



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