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うえお久光の「紫色のクオリア」を読み終えました [本を読んでいる]

昨日、行きの通勤電車の中で、うえお久光の「紫色のクオリア」を読み終えました。この本は、以前、読書の参考にしようと、よく見ているブログで「イーガンやチャンの作品と並ぶ傑作」と紹介されていたことから、図書館で貸出予約をしていたもので、今回ようやく読むことが出来ました。
ストーリーは、自分以外の人間が“ロボット”に見えるという紫色の瞳を持った中学生・毬井ゆかりとなぎなた道場の娘で、少し男っぽいところもある、ゆかりの友達、波濤マナブを中心とした物語で、途中まではよくある学園もの、SFライトノベルといった趣なのですが、途中から急速に展開を変え、メタ小説(メタフィクション)となります。このメタ小説となる後半部分がハードSF好きにも受け入れられたのでしょう。ただ、私自身はこの本には夢中になれませんでした。もう、私は歳で、こういった小説の良さを感じる感性が擦り切れてしまっているのかもしれません。私にはこの本が「小説」ではなく、何か「主張」のように感じられてなりません。メタ小説としても構造がシンプルすぎて、私には物足りない気がします。正直、話が表面的というか深みが無いように感じられて仕方がないのです。私の娘(高1と中2)なんかはどう感じるのだろう? いつか機会があれば、彼女達にもこの本を読んでもらって、感想を聞いてみたいと思います。

紫色のクオリア.jpg
写真はうえお久光「紫色のクオリア」(電撃文庫)

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