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ブランディーヌ・ヴェルレの弾くクープラン作品集を聴きました [音楽を聴いている]

1970年代の後半に仏Astreeに録音されたブランディーヌ・ヴェルレ(Blandine Verlet 1942年~)が弾いたF.クープラン(François Couperin 1668~1733年)のクラヴサン全集は、ジャケット、録音、演奏の三拍子が揃った名盤として、今でもオークションで非常に高値で取引されている、私の憧れのレコードです。(XRCD化もされていますが、こちらも私にとっては高値の花となっています。以前にも書きましたが、私は一枚だけヴェルレのクープランのLPを持っていまして、それは私の宝物となっています)そんなブランディーヌ・ヴェルレが約30年ぶりにF.クープランを再録音したことを知り、早速入手して聴いてみました。ブランディーヌ・ヴェルレは今年70歳になる訳ですが、この再録音盤できくF.クープランのクラブサン曲集の演奏はエレガンスの極みとも言える、本当に素晴らしいものでした。完璧という言葉はこういう演奏のことを言うのでしょう。まさしくすべてが完璧であり、絶妙なのです。変な日本語ですが、これ以上、この演奏を語る言葉はないような気がします。あえて言葉を探すとすれば、極めて知的でありながら、非常に芸術性の高い、流麗かつ豊穣な音楽の世界とでもいうのでしょうか、そんな音楽が、今、あたりまえのように私の目の前で展開されている、その事実に改めて驚かされます。
私は、この素晴らしい音楽の世界が永遠に続いて欲しいと願いながら、この二枚組のCDを聴きました。

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写真はブランディーヌ・ヴェルレ「F.クープラン クラヴサン曲集」(CD)。ジャケットはH.クレイグ・ハンナによるヴェルレの肖像画です。そういえば前の記事で紹介した「慈しみの女神たち」の主人公アウエもクープランが好きでしたね。小説の中での、主人公と作曲家である義兄との音楽談義は非常に興味深かったです。

(2019年7月18日追記)
記事で紹介した、1970年代の後半に仏Astreeに録音されたブランディーヌ・ヴェルレが弾いたF.クープランのクラヴサン全集は、現在、音楽配信サービス「Spotify」で聴くことができます。本当に便利な世の中になったものです。


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