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添田みちる ヴァイオリン リサイタル(2016.2.17 代々木上原「MUSICASA」) [演奏会ノート]

添田みちる ヴァイオリン リサイタル
ピアノ:秋元孝介

モーツァルト : ロンド ハ長調 K.373
バッハ : 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ 第3番 ホ長調 BWV1006
ブラームス : ヴァイオリン・ソナタ 第2番 イ長調 Op.100
ルトスワフスキ : スビト
ヴィエニアフスキ : 華麗なるポロネーズ 第2番 Op.21   他

現在、東京藝大の四年生で今春には東京藝大大学院への進学が決まっている添田みちるさんのヴァイオリンリサイタルに家内と二人で行ってきました。私にとっては本当に久しぶりのリサイタル体験となります。添田みちるさんは一時期、私の次女とヴァイオリンの先生が同じだったこともあり、発表会等で、小中学生のころの彼女の演奏はこれまで何回か聴いています。今回、一聴して、本当に驚いたことは、彼女のヴァイオリン演奏が昔、聴いていたころと、その本質的なところで同じだったということです。勿論、演奏技術などは格段の進歩を遂げていますが、本質的なところで、昨夜のリサイタルで聴いたヴァイオリンは、昔、小中学生のときの添田みちるさんと変わらない「音」であり、音楽だったのです。

誤解しないで欲しいのは、決して小中学生時代から進歩がないだの、成長していない等と難癖をつけようとしている訳ではありません。そんなことではなく、既に小中学生の時点で、本質的な部分で彼女の芸術性のコアの部分が既にほぼ完成していたことに今頃になって気付き、純粋に驚いたのです。

演奏家に求められる究極のもの、それは「個性」ではないかと思います。演奏家たちはどうやったら個性を示すことができるのかを常に考えながら、演奏します。こうした演奏家の個性を既に幼い時から備えている時、人はそれを「才能」と呼ぶのでしょう。そういう意味で、才能あふれる添田みちるさんの演奏を今回、楽しむことができ、とても幸せな時間を過ごすことができました。

ピアノなどと違って、ヴァイオリンには「楽器」という、もう一つの、音、そして音楽に大きな影響を与えるファクターがあり、その点でも難しいものだと改めて感じました。楽器にもそれぞれはっきりとした個性がある訳で、有名なヴァイオリン奏者でも、どの楽器を使っているかとあわせて語られることが多いことは、そのことの証左とも言えるでしょう。演奏家と楽器のそれぞれの個性がぶつかり合って初めて独自の「音」、そして「音楽」が生まれます。その点でヴァイオリニストは常に、自分の個性を一番良い形で表現してくれる、相性の良い楽器(ヴァイオリン本体と弓)を手にしている必要があります。実はこれは言うが易しですが、実際に実現しようとなるととても難しいことです。私は添田みちるさんの演奏を聴きながら、そんなこともぼんやりと考えていました。

昨夜は、添田みちるさんの「音」、そして音楽を存分に聴くことができました。将来が本当に楽しみです。ありがとうございました。

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写真は今回のコンサートのポスター(ちらし)。会場には次女が昔、一時期、ヴァイオリンを習っていた先生もお見えになられていました。家内が挨拶に伺ったところ「またOOちゃん(次女)も、ヴァイオリンを持って遊びにいらっしゃい」との優しいお言葉をかけて頂きました。元々大学に入ったらヴァイオリンを再開したいと言っていた次女です。これからまたヴァイオリンを始めるかもしれません。長い間、ほったらかしにしていたヴァイオリンと弓の修理(メンテナンス)にいくらかかるのか、家内と二人で戦々恐々しています。(苦笑)


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