SSブログ

この前の週末、私はお気に入りのレコードを聴きました [音楽を聴いている]

前にも何回か書きましたが、私はイタリアのバロック期の作曲家、ボンポルティ(Francesco Bonporti 1672~1749年)の作品が好きでして、中でも唯一のコンチェルト集となる「補強ヴァイオリンを伴う4声のためのコンチェルト」と題された作品11は、その旋律の美しさと合奏曲ならではの純正率の和音の見事な響きが同時に楽しめることから一番好きな曲集となっています。

こうしたルネッサンス~バロック期の音楽については、今では、当時の楽器・演奏スタイルによった、所謂古楽器での演奏が主流となっていますが、一昔前の、イ・ムジチ合奏団に代表される、モダン楽器での演奏も、それはそれでとてもゆったりとしていて情緒があり、聴きやすく耳に心地よいものです。

イ・ムジチ合奏団はその活動歴の長さ(1952年設立)も相まって、同じ曲でも複数の種類(年代)の録音が遺されている場合が多いのですが、このボンポルティの作品11の演奏については、私はヴァイオリン、ロベルト・ミケルッチ(Roberto Michelucci 1922~2010年11月13日)による第4番、6番、8番と9番の演奏(1960年代末から1970年代始めの録音)をCD(フィリップスがバロック音楽のアンソロジーとして纏めた「Splendour of The Baroque」というCD10枚組の中の一枚)で持っていて、これは私の愛聴盤となっています。他にも1958年に発表された第4番、5番、6番、8番を収めたモノラル盤や、第5番についてはヴァイオリンのソロパートをフランコ・タンポーニ(Franco Tamponi 1925~2010年)が弾く、1964年5月のルガーノでのライヴ録音もあるようです(どちらも私は未聴)。

第5番については、私はCDではなく、ファリックス・アーヨ(Félix Ayo 1933年~)と創立以来のメンバー、ワルター・ガロッティの演奏が収められたレコード(邦題「イ・ムジチ/イタリアのバロック協奏曲」、ステレオ国内盤)を持っています。この演奏が、先に述べた1958年盤のものと同一録音かどうかは分かりません(この時期は最初、モノラル盤で発売され、後になってステレオ盤となって再販されることが多々ありました)。

20200526212655.jpg
20200526212728.jpg
こちらが私が持っている「イ・ムジチ/イタリアのバロック協奏曲」(国内ステレオレコード盤)

この第5番の第二楽章は「静かに和弦を奏するリピエノを背景にくりひろげられるヴァイオリンのレチタティーヴォ(以上、私の持っているレコードの佐藤章氏によるライナーノーツからの引用です)」でして、イタリアバロック音楽の極致ともいうべき、歌心に溢れた、とても美しいものです。(ちなみにレチタティーヴォとは「オペラ,オラトリオ,カンタータなどにおけるアリアに対する声楽様式で,「叙唱」と訳される(以上、Wikipediaの解説文からの引用)」です)。私の持っているレコードにおけるアーヨの演奏はまさしく絶妙というべきものでして、恥ずかしながら、この演奏の素晴らしさ、そして美しさを他に表現する言葉を私は知りません。

こうしてこの週末、私はせっせとレコードを洗浄し(以前、レコードの洗浄について書いた記事はこちら→https://syoso-chunen.blog.ss-blog.jp/2020-05-04、ターンテーブルに載せて、アーヨの弾くヴァイオリンに無心に耳を傾けました。まさしく至福の時間を過ごした次第です。音楽鑑賞を趣味にしていて本当に良かったです。


こちらはYoutubeにアップされている「Francesco A. Bonporti: Concerto a 4 in F Major, Op. 11, No. 5: II. Recitativo: Adagio assai」。Lucerne Baroqueという団体の演奏とのことですが、今の演奏ならではですが、ピッチが高めです。本文で紹介したイ・ムジチのものはもっとピッチが低めです。


共通テーマ:日記・雑感