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近藤 譲著「ものがたり西洋音楽史」を読み終えました [本を読んでいる]

昨日、会社のオフィスで近藤 譲氏著「ものがたり西洋音楽史」(岩波ジュニア新書)を読み終えました。この本は、先日、次女が自分で読もうと本屋さんでまとめて買った何冊かの本の中の一冊でして、とても面白そうだったので、次女から借りて先に読んでみたという訳です。

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近藤 譲氏著「ものがたり西洋音楽史」(岩波ジュニア新書)

この本は岩波ジュニア新書シリーズとして出版されていますが、著者の意図と考えは分かりやすく書かれてはいるものの、書かれている内容は入門書の域を遥かに超えた本格的なもので、ある程度クラシック音楽について造詣のある人でないとなかなか理解できないものではないかと感じました。

読みどころは何といっても第四章「芸術としての音楽ー古典派、ロマン派、モダニズム(十八世紀後期~20世紀)」でして、著者の高い見識と深い洞察に支えられた、説得力に溢れた考察には感銘を受けました。特に(Ⅲ)「モダニズム(二〇世紀)」における著者の分析と解説は(私にとって)スリリングなもので、私は夢中になって読みふけりました。これだけ簡潔かつ的確に現代音楽を論じた文章は他にないのではないでしょうか。とても参考になりました。

私は普段、何の気なしに、その時の気分にあわせてクラシック音楽、現代音楽、ジャズ、ポピュラー・ミュージックといった、色々なジャンルの音楽を漫然と聴いていますが、こうして西洋音楽の歴史を俯瞰的に捉え直す試みをしたことにより、それらの音楽が作られた時代背景と考え方についての理解が深まり、今後、より主体的に音楽に接することが出来るような気がします。

ちなみに、この本についての、Amazonにおけるmicmac氏によるカスタマーレビュー(「音楽愛が感じられます」)は的確かつ素晴らしいもので、とても印象に残りました。私にとっては、久しぶりの読書体験でしたが、とても有意義なものとなりました。やっぱり、私はもっともっと本を読まなきゃダメですね。深く反省した次第です。


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