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ルドルフ・ゼルキンが弾く、ベートーヴェンのピアノソナタのCDを入手しました [音楽を聴いている]

以前の記事で、ベートーヴェンのピアノソナタ第31番というと、私にとっては高校、大学時代にレコードで聞いたルドルフ・ゼルキン(Rudolf Serkin 1903~1991年)の演奏(1971年録音CBSソニー盤、第28番とのカップリング)がデフォルトのものとなっていることを書きましたが(その時の記事はこちら→https://syoso-chunen.blog.ss-blog.jp/2020-01-15、先日ネットオークションで、この演奏のCD盤が600円以下という安価で出品されているのを見つけ、思わず落札してしまいました。

私が入手したのは、「ルドルフ・ゼルキン/コンプリート・コロンビア・アルバム・コレクション(CD75枚組)」のうちの一枚です。レコードの方は九州の実家に置いているので、これで横浜の自宅でも気軽に聴くことができるようになりました。

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こちらが今回入手したCD。75枚組の中の一枚(58枚目)ながらも、オリジナル紙ジャケット仕様で背表紙やタイトル印字もあります。

1971年の録音ですから、ゼルキンが60代後半の頃の演奏となるのですが、彼の力強さに溢れた見事な演奏には改めて感心しました。31番も良いのですが、カップリングされている28番(こちらは1970年の録音、どちらもニューヨーク、コロンビア30番街スタジオで収録されています)も曲・演奏共に素晴らしいものです。ゼルキンのベートーヴェンの後期ピアノソナタの演奏というと、彼が80代になってからのライブ録音等が有名ですが、それが空前絶後の素晴らしい演奏であることに私もまったく異論はないものの、これらはまさしく「ゼルキンのベートーヴェン」といった感じで、私にとっては、ベートーヴェンを聴くというより、ゼルキンの演奏を聴くという感じになってしまいます。それに比べると、この1971年の演奏ではベートーヴェン(作曲家)とゼルキン(演奏家)の立ち位置がちょうど良いというか、しっかりとベートーヴェンの音楽自体も感じ取ることができるような気がして、私にとって、普段聴く分には、こちらの演奏の方が聴きやすいように思われるのです。

こうして聴くと、これらのピアノソナタ曲が本当に高い精神性を備えた名曲であることに改めて気づかされます。若かりし頃、初めてベートーヴェンの後期のピアノソナタの素晴らしさ、美しさに気付かさせてくれた、このゼルキンの演奏を今回、CDで手軽に聴けるようになって本当に良かったです。


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