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恥ずかしながら、最近になってエリザベト・ジャケ=ド=ラ=ゲールという女性作曲家のことを知りました [音楽を聴いている]

恥ずかしながら、最近になって、エリザベト・ジャケ=ド=ラ=ゲール(Élisabeth Jacquet de La Guerre 1665~1729年)という、フランス・バロック音楽の作曲家、クラヴサン奏者を知りました。彼女は、幼い時から神童と持て囃され、ルイ14世に御前演奏を行い、それからヴィルトゥオーソとして、またルイ14世の寵臣として活動を続けた、当時としてはとても珍しい女性作曲家でありクラヴサン奏者です。Youtubeで彼女の曲の演奏を聴き、すっかり気に入ってしまった私は、クラブサン曲(全曲)とヴァイオリンソナタのCDを入手、機会を見つけてはこまめに聴いています。

入手したCDのうち、最初に聴いたのは「Complete Harsichord Works」と題されたBRILLIANTレーベルの二枚組でした。1687年、彼女が20代前半の時に発表したクラブサン曲集(全四曲)では、あふれ出る音楽的才能を感じることができますが、私がびっくりしたのは1707年に発表されたクラブサン曲集(全二曲)です。音楽的な完成度というか円熟度がぐっと増していて、彼女の音楽的な才能が見事に花開いていると言えば良いのでしょうか。これは素晴らしいですね。聴きごたえがあります。

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こちらが私が入手したFRANCESCA LANFRANCOによる「COMPLETE HARPSICHORD WORKS」(CD二枚組)

Wikipediaによると「ジャケ・ド・ラ・ゲールは、フランスにおける「イタリア趣味」の初期の受容者のひとりである」とのことですが、確かに彼女の中期以降の音楽には(フランス伝統の音楽に加えて)イタリア的な旋律の美しさ、カンタービレも加わった、他の同時期の作曲家とは一味違った音楽的個性を感じます。

もう一つのCD、ヴァイオリンとクラヴサンのためのソナタ(全六曲)はヒロ・黒崎に師事しているスペインの女性ヴァイオリニスト、リナ・トゥル・ボネト(Lina Tur Bonet )によるものです。クラブサン曲集と同じく、1707年に発表されたものですが、こちらも曲としての完成度が素晴らしく、美しいバイオリンの旋律も相まって、聴いている人間を幸せな気持ちにさせてくれます。その歌心には飽きることがありません。

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そしてこちらが「Elisabeth Jacquet de la Guerre: Sonatas para violin」(CD)

こうして私は、新たな曲に出合うことができました。今度は彼女が1695年に発表した、「アルカンジェロ・コレッリの様式とフランス人の音楽趣味を巧みに折衷した」(同じくWikipedia解説文からの引用)と評されるトリオソナタも聴いてみようと思っているところです。


こちらはYoutubeにアップされている「Elisabeth-Claude Jacquet de la Guerre - Suite in A minor」。1687年に発表されたクラブサン曲集の一曲ですが、彼女の豊かな音楽的な才能を十分味わうことができます。それに加えて、Elloit Figgによる演奏は素晴らしいものです。


そしてこちらが「Elisabeth Jacquet de la Guerre- Violin Sonata No.1 in D minor」


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