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ポリーニの弾くショパンのポロネーズは私にとって、とても大事な演奏の一つです [音楽を聴いている]

最近、通りがかりにブックオフを見つけては、格安のクラシックの中古CDを漁るのが日課となっています。そうした中、マウリチオ・ポリーニ(Maurizio Pollini, 1942年~ )が1975年にドイツ・グラムフォンに録音したショパンのポロネーズ集を、なんと500円で購入することができました。
私にとって、ポリーニは、アルゲリッチと並んで少し特別なピアニストです。今から35年以上も前、1970年代半ばに中学生だった私は、初めてクラシック音楽に興味を持ち始めました。そのころ、ショパンコンクールで優勝したピアニストということで、まさに活躍し始めていたのが、ポリーニとアルゲリッチ(それとアシュケナージですね。彼はショパンコンクールでは2位でしたが、それに不満だったミケランジェリが審査員を降りたことで話題となりました)で、私はグラムフォンレーベルから次々と発売される二人の新譜を良く聴いたものです。ピアノを本格的に勉強していた姉(や当時のピアノ科の学生)にとっては、ポリーニのショパンのエチュード集はそれこそ、本当に特別なものだったかと思いますが、私にとっては、むしろ、ショパンのポロネーズ集や、ヴェーベルンのピアノのための変奏曲 作品27、ブーレーズのピアノソナタ第2番がカップリングされたLPの方が印象に残っています。
最初に、ポリーニの演奏を聴いたときのショックは忘れることができません。「なんて現代的な演奏なんだろう」というのが素直な感想で、特にその極めて高い技術に裏付けされたタッチの強靭さ、非常に男性的な演奏スタイルには、すっかり夢中になりました。ピアノ音楽を聴くにあたって、最初にポリーニやアルゲリッチといった、高いテクニックと音楽性がきちんと結びついた演奏に接することができたのは私にとっては、ある意味、幸運だったのではないかと今では思います。
ポリーニの弾くポロネーズは全て素晴らしいのですが、私にとっては特に1番、2番(op26-1,2)の演奏が好きです。かっこいいという言葉がぴったりで、また緩除部においては瑞々しいピアニズムを感じることもでき、私にとってはデフォルトの演奏となっています。こんな演奏が中古とはいえ、ワンコインで買える時代はある意味幸せとも言えるかと思いますが、少し複雑な気持ちにもなります。
今日も、通勤電車の中でこのポリーニの弾くポロネーズを聴きました。何度聴いても、良い音楽、演奏は良いものです。とても幸せな時間を過ごすことができました。

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写真はマウリチオ・ポリーニ「ショパン ポロネーズ集」(CD)当時のドイツ・グラムフォンの録音は、どれも音が良かったですね。当時、少ないお小遣いをためて購入した、多くのドイツグラムフォンのLPは今でも九州の実家の大型レコードラックに入れて、大切に保管しています。また、当時は音楽好き=オーディオ好きになる環境があったような気がします。ただ、そのころの私はLPを買うだけで精一杯でとてもオーディオには手が回らず、オーディオ雑誌を指をくわえて眺めるだけの毎日でした。

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