モンブランのちょっと変わった万年筆を使っています

以前、悪筆を直すために万年筆を使い始めたことを書きましたが、現在、肌身離さずシャツの胸ポケットにさして、常用している万年筆がモンブランの「ボエム（マロン）」、ペン先はF（細字）です。一見する限り、アクセサリー感覚溢れるおしゃれな万年筆ということになるのでしょうが、実は、高い実用性も誇る、使い勝手の良い筆記具です。構造的にちょっとしたギミックがあって、

「万年筆はペン先を保護する為に引っ込んだ状態で収納されており、尻軸を回すことでペン先が出てくる設計。カートリッジは尻軸のキャップを開けると装填スペースがあり、キャップを回転すると奥まで入っていく補充方式」
（「世界の筆記具ペンハウス」HPの紹介文からの引用）

となっています。キャップを外し、尻軸にねじ込んで固定するとそれにあわせてペン先が出てきて、書けるようになっているという訳です。また、この仕掛けのせいで万年筆がコンパクトになり、胸ポケットにもおさまる大きさになっています。当たり前のことですが、ペン先は紛れもないモンブランそのものですので、インクフローも潤沢で、流麗な書き味を実現しています。
愛用していて、唯一の不満はインクカートリッジが小さく、私のように毎日結構、書くことの多い身としては、ちょくちょく、思いもよらないインク切れに遭遇してしまうことですね。キャップのクリップの先にあしらわれたストーン（茶色）も嫌味になっておらず、程良いアクセントになっています。
いつも胸ポケットにさしているので、無くなることはないはずなのですが、それでも、（私にとっては高価な万年筆となりますので）かなり気を使います。特に宴席の後など、うっかり無くしてしまう可能性はあります。宴席の次の日の朝、起きて、まず最初に慌てて確認するのは、この万年筆がきちんと保管されているかどうかです。私の、大事な小さな普段使いの宝物です。


写真はモンブラン「ボエム（マロン）」