SSブログ

今頃になって、マリア・ティーポというイタリアの女性ピアニストを知りました(1) [私の好きなピアニスト]

先日、東京 神保町の中古レコード・CDショップ「富士レコード社」を訪れた時に見つけ、何となく気になって(安価にて)手に入れた中古CDが、イタリア ナポリ出身の女性ピアニスト、マリア・ティーポ(Maria Tipo 1931年~)の1979年、スイス ルガーノでのライブ録音です。

私は、このピアニストについては、かろうじて名前を知っていた程度だったのですが、今回、モーツァルト、ベートーヴェンのピアノソナタ、そしてショパンのバラード全曲等が収められたCD(伊Aura)を聴き、「ふくよか」という言葉がぴったりの、音楽性に溢れた見事な演奏に驚嘆しました。ピアノという楽器の持つ能力をフルに発揮させた演奏といった感じでしょうか、(聴いているうちに)「純粋芸術」という言葉が浮かんできます。同じイタリアの名ヴァイオリニスト、ジョコンダ・デ・ヴィート(Gioconda de Vito 1907~1994年)のピアノ版といった感じで、イタリア人ならではの生命力豊かな、明るく骨太で豊かな音楽性が感じられるピアニストです。


Youtubeにアップされている、私が入手したCDと同録音となる「Chopin - Maria Tipo (1979, live, Lugano) 4 Ballades」、ほかにも同じくベートーヴェンのピアノソナタ30番もYoutubeで聴くことができます。Youtubeで「Maria Tipo」を検索してみてください。

慌てて、インターネット音楽配信サービス「Spotify」で、彼女の他の録音(バッハのパルティータ、ゴルトベルク変奏曲等)を聴いてみたのですが、どれもピアノの能力をフルに生かした、素晴らしい演奏ばかりです。聴いていると、これらが最初からピアノの為に作曲された曲であったかのような錯覚を覚えます。それを裏打ちするのが、彼女の見事なテクニックです。「ナポリの女ホロヴィッツ」の異名を持つとのことですが、本当に魅力的なピアニストです。彼女の演奏をこれまで一度も聴いていなかったなんてと自分の無知さを恥じた次第です。

その後、ショパンのバラード(全曲)については、同じく1979年のスタジオ録音が収められたCDも手に入れて聴いてみたのですが、彼女の豊かな才能とテクニックを再確認することとなりました。

71y8nElGflL._AC_SL1071_.jpg
こちらがマリア・ティーポによるショパンバラード全曲のスタジオ録音が収められたCD(リマスター盤)

こうして今回、私はまた、とても魅力的なピアニストを知ることになりました。世界には、まだまだ私の知らない素敵な曲があり、そして素晴らしい音楽家がいます。私の拙い音楽鑑賞の趣味の世界が果てることは、まずなさそうです。


共通テーマ:日記・雑感