SSブログ

母が独りで住む九州、大分の実家に約半年ぶりに帰省しました(2) [旅をしている]

今回の帰省は日程的にも少しゆとりのあるものだったので、一日くらいは母を連れてレンタカーで遠出をしようなどと考えていました。さっそく母に「どこか行きたいところある?」と訊いてみたところ「お彼岸なので最近あまり行っていない母方の墓を訪ねたい」とのことでした。正直に言うと私は久しぶりに阿蘇の方に行ってみたかったのですが、母の希望を最優先すべきと考えを改め、大人しく一緒に墓参りをすることにしました。

レンタカーに母を乗せて、お墓のある国東市国見町へと向かいます。天気も良く、国東半島を海沿いに走る国道213号線では、初秋(といっても、この日はけっこう暑かったです)の美しい海岸線の景色を味わいながら、無事にお墓のあるお寺に到着し、母と一緒にお墓参りを済ませるとともに、近くの、母方のご先祖たちが建立した神社も訪ね、参拝しました。

IMG_0158.jpg
IMG_0155.jpg
こちらが母方のご先祖様たちが建立した神社の様子。なかなか鄙びた雰囲気の神社です。

その後、同じ国東市にある「道の駅 くにみ」に立ち寄り(日曜日だったせいか、多くの人で盛況となっていました)、買い物やトイレを済ませた後、来た道を戻りながら国道213号線を走り、今度はこんな田舎にあるのが不思議な、本格的なジャズが流れる、珈琲カップを選ばせてくれる喫茶店「艸艸庵(そうそうあん)」で、美味しい珈琲(母も私もモカマタリを注文)を飲んで一息つきました(初めてこの喫茶店を訪れたときの記事はこちら→https://syoso-chunen.blog.ss-blog.jp/2014-04-28

さて、まだまだ時間はあります。母にどこか行きたいところがあるか訊いてみると、別府にある大分トラピスト修道院をゆっくり訪れてみたいとのこと。少しお腹も空いてきたので、杵築市内の「杵築ラーメン 清新亭本店」で昼食にラーメンを食べて、今度は別府方面に向けて車を走らせます。

大分トラピスト修道院は大分県速見郡日出町にある厳律シトー会(トラピスト会)の男子修道院でして、正式名称は「厳律シトー修道会・お告げの聖母修道院」です。前の帰省時に大分県山香にあるカテリーナ古楽器研究所を訪れたときに購入したCD(カテリーナ古楽器研究所「中世巡礼物語」)が、この大分トラピスト修道院で録音されたことを主宰の松本未来氏から教えてもらってから(その時の記事はこちら→https://syoso-chunen.blog.ss-blog.jp/2021-05-11、私も一度は訪れてみたいと思っていました。

修道院は人里離れた、由布岳を背に別府湾を一望する丘の静かな場所にありました。辺りに人影もなく、静かな風の音だけが聞こえてきます。建物の一角にある売店に入ると自家製の「トラピストクッキー」や他の修道院で作られたワイン、ビールやバター等が小物類とともに売られていました。そして、売店の奥が展示室となっていて修道院の案内やゆかりの物が展示されています。

IMG_0193.jpg
IMG_0189.jpg
IMG_0174.jpg
大分トラピスト修道院の様子。三枚目の写真には売店に向かう母の姿が写っています。

IMG_0178.jpg
IMG_0176.jpg
IMG_0183.jpg
こちらは展示室に置かれた品々(一部)。聖歌の古い楽譜には興味をそそられました。

修道院を訪ねるのはおそらく生まれて初めてかと思うのですが、本当に静かでして「聖なる祈りの場所」といった感じがします。静謐な空間の中で私の気持ちも次第に落ち着いて行きます。この修道院に入るには、

カトリック教会の洗礼を受け、三年以上経た男子カトリック信徒であることは入会希望申し込みの必須条件である。数回の体験入会を経た後、正式の入会許可が与えられる。
(以上、Wikipedia「大分トラピスト修道院」解説文からの引用です)

とのことで、

入会後、約半年の志願期、その後着衣式の日より二年以上の修練期を経て最初の有期誓願を宣立する。その後三年以上の有期誓願期を経過して、盛式誓願を宣立し終生にわたる修道生活を誓う。トラピスト修道院の場合、原則として入会した修道院で一生を過ごす。(以上、同じくWikipedia「大分トラピスト修道院」解説文からの引用)

とのこと。

トラピスト修道士の一日は、午前3時30分に始まる。 ミサ聖祭と、一日7回の祈りを捧げ、労働と、レクチオ・デヴィナ(聖書を中心とした読書)からなる共同生活を送っている。(以上、同じくWikipedia「大分トラピスト修道院」解説文からの引用)

そうで、展示室に展示されている修道士の日課表を見ても、祈り、労働、レクチオ・デヴィナが生活の中心であり、とても禁欲的というか、私には到底できないような日々を送っていることが伺えます。

IMG_0184.jpg
こちらが展示室にあった修道士の日課表。写真を左クリックして頂ければ大きくして見ることができます。

母は売店でクッキー等を買い求め(販売員がいるわけではなく、買うものを選んでレジ横にあるベルを押すと修道士の方が出てきて対応する仕組みとなっています)、修道院からの景色を楽しんだ後、車に乗り込み帰路につきました。

IMG_0170.jpg
IMG_0165.jpg
修道院入り口の扉近くから見た別府湾の様子。

こうして私たちは休日を楽しみました。母も念願だったお墓参りができて満足そうだったので良かったです(ちなみに前回、母方の墓を訪れた時の記事はこちら→https://syoso-chunen.blog.ss-blog.jp/2020-03-11 この時も「みちの駅 くにみ」を訪れています)


共通テーマ:日記・雑感