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暇に任せてインターネット動画配信サービスで二本ほど、アニメ映画を観ました [映画を観ている]

お盆の週は暇だったこともあって、インターネット動画配信サービスで、二本ほどアニメ映画を観ました。今回は、その二本を紹介したいと思います。

一本目は、2017年公開のアニメ映画「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」です。あらすじは、

小学生の典道と祐介は仲の良い友達で、2人とも同級生のなずなの事が好きだった。しかしなずなの両親が離婚し、彼女が母親に引き取られて2学期から転校することになっているとは、2人には知るよしもなかった。親に反発したなずなは、プールで競争する典道と祐介を見て、勝った方と駆け落ちしようとひそかに賭けをする。
(以上、「Wikipedia」解説文「あらすじ」からの引用です)

という、少年のひと夏の思い出を、一種のタイムリープものとして幻想的に描いた映画となります。アニメの映像はとても美しいもので印象に残ったものの、ストーリー自体はきつい言い方をすれば、主人公の少年の妄想というか想像を描写しただけとも言え、謎の残る結末は面白いとは感じたものの、私にとっては、まあそれなりといった感じの映画でした。

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アニメ映画「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」宣伝用画像

そして、もう一本は、2020年公開のアニメ映画「ジョゼと虎と魚たち」です。あらすじは

大学で海洋生物学を専攻する恒夫は、メキシコに生息する幻の魚を見るという夢を追いながら、バイトに勤しむ日々を送っていた。そんなある日、坂道を転げ落ちそうになっていた車椅子の女性ジョゼを助ける。幼少時から車椅子で生活してきたジョゼは、ほとんどを家の中で過ごしており、外の世界に強い憧れを抱いていた。恒夫はジョゼと2人で暮らす祖母チヅから彼女の相手をするバイトを持ち掛けられ、引き受けることに。口が悪いジョゼは恒夫に辛辣に当たるが、そんなジョゼに恒夫は真っ直ぐにぶつかっていく。(以上、「映画.com」の「解説」からの引用です)

といった青春純愛アニメ映画でして、私は、とても面白く観ました。「良い映画だったなぁ」などと思いながら、この映画のことをネットで調べてみると、原作は田辺聖子の小説で、2003年には実写による映画化もされたものだということが分かり、更に調べているうちに、文春オンラインの記事「名作『ジョゼと虎と魚たち』アニメ版は“純愛推し”だが…消された「性被害」の重み」(https://bunshun.jp/articles/-/42520)という記事にぶつかりました。

私は原作の小説を読んでおらず、実写化された映画も観ていないのですが、この記事によると、原作、実写化版、アニメ版の映画において、結末は大きく異なるようです。(ネタバレになりますが)原作の小説ではジョゼは歪な関係性の中に束の間の幸福を見出す一方、破局の予感もはっきりと持っていて、実写版では恒夫が親に結婚を言い出せず、やがて逃げるように去り、そしてアニメ版では2人は幸せなキスで結ばれる。その後も関係は更に深まっており、完全なハッピーエンドになっています。(この一文については文春オンラインの記事の文章を、一部手を加えたものの、ほぼ全て引用しています)

アニメ版においては、まるでディズニー映画のような、原作からの改変がなされているという事実に驚かされると共に、このアニメ映画は、私のように原作も実写版の映画をまったく知らない人と、原作小説を好きな人、実写版の映画を好きな人とでは、まったく異なる評価になるであろう映画だということが分かりました。

この問題は、なかなか厄介です。アニメ版において結末が全く異なるというのであれば、せめて田辺聖子の小説にインスパイアされたことを明示した上で、題名だけでも変えた方が良かったのではと思います。映画自体は面白いと感じていただけに、少し白けた気分になりました(涙)。いつか、機会を見つけて原作の小説の方を読んでみようと思った次第です。

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アニメ映画「ジョゼと虎と魚たち」ポスター


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