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Netflixオリジナルアニメ「PLUTO」を観終えました [テレビを観ている]

今週の火曜日に自宅でNetflixオリジナルアニメ「PLUTO」を観終えました。これは、手塚治虫の『鉄腕アトム』に含まれる「地上最大のロボット」の回を原作として浦沢直樹がリメイクした人気漫画をアニメ化したもので、10月26日よりNetflix独占で配信が始まったものです。

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こちらはNetflixオリジナルアニメ「PLUTO」制作告知画像

次々と破壊されてゆく7人の世界最高水準のロボット。そして、一人また一人と殺されるロボットの理解者たち。事件を捜査する刑事のゲジヒトはやがて、自身にも危険が迫っていることを知る...。
(以上、Netflixアニメ『PLUTO』公式サイトの紹介文からの引用です)

といったところから始まる「人間とロボット」そして「愛と憎しみ」をテーマとした、スケールの大きな物語です。一話60分程度、全八話からなる長編アニメを私は夢中になって観ました。物語自体のストーリーは、20003年から始まった、イラクによる大量破壊兵器保持における武装解除進展義務違反を理由にアメリカ合衆国が中心となって行ったイラク戦争から着想を得たものと思われますが(皆さんご存知の通り、結局、イラクの大量破壊兵器保持の事実は全くありませんでした。ある意味、史上最大のフェイクによって巻き起こされた悲劇でして、歴史的に見ても今の世界秩序を乱した最大の事件と言え、大きなターニングポイントとなりました)、ここに描かれている「人間とロボット」そして「愛と憎しみ」といった普遍的なテーマは、今や更に先鋭化していると言って良いかも知れません。ロシアによるウクライナ侵略におけるドローン兵器の急速な普及や、イスラエルとパレスチナの対立におけるガザ侵攻といった、まさしく今起きている国際紛争の底流に流れている問題そのものです。

そして、これらのテーマに対して手塚治虫✕浦沢直樹が伝えようとしたことは「AIにおける心(感情)の可能性と人類(人間)至上主義に対する強烈なアンチテーゼ」であり、「憎しみをも超え得る「愛」の力」です。前者の、善悪の判断が自らできない、感情を持たないと一般的に言われるロボット(AI)に関する問題については、今後ますますテクノロジーの進化に伴い、より深く議論が進められることになるでしょうし、後者の課題については、それこそ国家や宗教間の対立、人種や性別を超えうるものとして、今後、ますますその重要性を増すことでしょう。

そんな人類にとって普遍的なテーマに対して、深く切り込んだ作品として、本当に観応えのあるアニメでした。アニメ自体は音響も含め、アニメーションの効果を最大限に生かしたもので、時にはやり過ぎではとも感じましたが(汗)、インパクトを否が応でも高めていたのが印象的でした。

こうして私は久しぶりに骨太のアニメ作品に触れることができました。是非ともより多くの方に、このアニメを観てもらいたいと思った次第です。


こちらはYoutubeにアップされている「『PLUTO』予告編 - Netflix」


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