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佐川恭一のデビュー作である「終わりなき不在」を読み終えました [本を読んでいる]

先ほど、会社の執務室で佐川恭一のデビュー作である「終わりなき不在」(ネコノス文庫)を読み終えました。この本も、いつもの会社の同僚(後輩)が貸してくれたものです。内容は、

就職した銀行を一年で辞め、仕事も恋人も失った自堕落な青年は小説家を目指す。その果てに何が待っているかも知らずに……。「文章を書くためだけに脳をカスタマイズされ他の能力を全てスポイルされた俺という怪物の書く小説が、なぜ他者の作品に劣るのか?」迷走する自意識、崩壊するモラトリアム。これは悲劇か?それとも喜劇なのか?泣いた方がいいのか?笑っていいのか? 渦巻くような自意識の階層構造に、やがて読者の意識も翻弄されていく……。(以上、Amazonの商品ページの紹介文からの引用です)

というもので、第3回日本文学館出版大賞ノベル部門大賞を受賞しています。小説自体は、小説家を目指す主人公、吉川雅樹の行動や考え方の発露を軸に、彼の書いた小説「仕舞」、そして彼に関わる登場人物それぞれ立場から、それに対する反応(思い、感情)が語られるといった構造になっています。

さすがというべきか、私自身、この小説の持つ、有無を言わせない力の虜となり、一気に読み終えました。本当に面白いというか、とても刺激的な小説でして、何とも言えない疾走感が感じられます。本当に彼の文学的才能には驚嘆するばかりです。

私は、これからも折にふれて彼の著作を追いかけることになりそうです。

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佐川恭一著「終わりなき不在」(ネコノス文庫)


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