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またまた、イタリア人ピアニスト、マリア・ティーポのCDを入手しました [私の好きなピアニスト]

昨年から続いている私のマリア・ティーポ熱ですが、またまた。彼女の演奏が収められたCDを二種類、安価で入手しました(汗)。

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こちらは若かりしときのマリア・ティーポのポートレート。見てお分かりのように、とても美人でして(イングリット・バーグマンに似てます)、まさしく私のタイプです。(°O゜)☆\(^^;) バキ!

一枚目は、以前紹介した(その時の記事はこちら→https://syoso-chunen.blog.ss-blog.jp/2021-05-17リッカルド・シャイー(Riccardo Chailly 1953年~)、ロンドン・フィルハーモニー指揮、マリア・ティーポ(Maria Tipo 1931年~)のピアノによるモーツァルト、ピアノ協奏曲第8番「リュッツォウ」、第9番「ジュノム」と同時期に録音された、モーツァルト、ピアノ協奏曲第20番、第21番が収められたCD(1983年録音、PLATZ国内盤)です。

前にも書きましたが50代、円熟期を迎えたマリア・ティーポのピアノはもちろん素晴らしいのですが、それに加えて、若きリッカルド・シャイーの指揮するロンドン・フィルハーモニーの清潔感溢れるサポートが良いです。録音も良く、このモーツァルトのピアノ協奏曲の決定盤と言って良いかと思います。ライナーノーツにおいて、音楽評論家の濱田滋郎氏(1935~2021年)はマリア・ティーポの演奏について「この人のピアノにはいつも「歌」があり、こまやかな「情感」の裏付けがある」と述べていますが、まさしくその通りでして、彼女のピアノの「音」はしっかりとした芯がありながらも、丸みを帯びた、美しくそして豊かなものです(ちなみに濱田滋郎氏は今年3月にお亡くなりになられました。謹んで哀悼の意を表します)。

そして、もう一つのCDが、彼女が20代半ばに米VOXに録音したモーツァルト、ピアノ協奏曲第21番、第25番、スカルラッティのピアノソナタ(12曲)を収めた二枚組の復刻盤(オリジナルは1956年発表)です。ピアノ協奏曲21番については、(前に書いたシャイー指揮の)1983年録音盤と聴き比べてみたのですが、録音技術の差はあるものの、まったく甲乙つけがたい演奏であることには驚かされました。これは私の勝手な思い込みかも知れませんが、1956年の彼女の演奏には、何とも言えない若さゆえの「華」が感じられます。またペルレア指揮のオケも本当に素晴らしいものです(シャイー指揮のものより良いかもしれません)。また、これは言うまでもないことですが25番の協奏曲も、とても良い演奏です。そして、スカルラッティのピアノソナタ(12曲)の録音ですが、これも本当に素晴らしいとしか言いようのないもので、私を驚喜させました。彼女はスカルラッティの演奏を非常に得意にしているようで、この1956年の演奏以外にも、(私の知る限り)1982年と1987年の二回、スカルラッティのピアノソナタを録音しています(残念ながら私は1982年の24曲のソナタ録音は未聴)。ここでは彼女の構成力が本当に光っていて、その、けれんみのまったくない、自然にすっと耳に入ってくる豊かな音楽世界に私は魅了されました。これは本当に素晴らしい演奏です。

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こちらが今回、私が入手したマリア・ティーポのCD。どちらもアマゾンで中古盤を購入したのですが、どちらも千円台という安さでした。VOX盤の方は比較的入手が容易ですので(インターネット音楽配信サービス「Spotify」でも聴くことができます)、是非、未聴の方は聴いてみて下さい。

こうして私は彼女のピアノを存分に楽しみました。こうしてみると、彼女の録音は全て良いですね。今は、先日ネットオークションで安価で落札したクレメンティのピアノソナタ集のレコード(伊オリジナル盤三枚組)が届くのを心待ちにしています。今度はどんな演奏で私を驚かせてくれるのでしょう?本当に楽しみです。


こちらは2020年のクリスマス・イブにYoutubeにアップされた彼女のライブ音源「Maria Tipo Piano Recital - Montevideo 1969」です。1969年8月7日の演奏だそうですが、今までCD化などはされていないと思います。ここでは彼女の主要なレパートリーとなるスカルラッティ、ショパン以外の、シューベルト、ドビュッシー、ラベル、リストの、とても貴重な演奏を聴くことができます。そしてアンコールでは、なんとスクリャービンのエチュードを弾いています(このスクリャービンのエチュード演奏についてはなぜか録音状態が悪いです)。ライブならではの、スタジオ・レコーディングで受ける印象とは少し違った「ナポリの女ホロヴィッツ」と言われた彼女の演奏の魅力を存分に味わうことができます。ここで聴ける聴衆の熱狂ぶりはものすごいものです。


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