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ネットオークションでイタリア人ピアニスト、マリア・ティーポのCDを運良く安価で入手しました [私の好きなピアニスト]

先日、ぼんやりとネットオークションを眺めていたところ、気になるCDが(即決価格1000円程で)出品されているのを発見、すかさず落札したのが、リッカルド・シャイー(Riccardo Chailly 1953年~)、ロンドン・フィルハーモニー指揮、マリア・ティーポ(Maria Tipo 1931年~)のピアノによるモーツァルト、ピアノ協奏曲第8番「リュッツォウ」、第9番「ジュノム」が収められたCD(1983年録音、PLATZ国内盤)です。

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こちらが今回、私が入手したCD

これまで何回か、このイタリアのナポリ出身のピアニスト、マリア・ティーポ(Maria Tipo 1931年~)の録音を紹介していますが、ピアノ協奏曲の演奏は初めてとなります。これも本当に素晴らしいものです。特に第9番「ジュノム」は曲自体の良さ(特に第二楽章ハ短調)も相まって、聴いた時の感動はひとしおでした。

私はこれまでマリア・ティーポのことを書いた記事はこちら
「今頃になって、マリア・ティーポというイタリアの女性ピアニストを知りました(1)」
 →https://syoso-chunen.blog.ss-blog.jp/2020-06-29
「今頃になって、マリア・ティーポというイタリアの女性ピアニストを知りました(2)」
 →https://syoso-chunen.blog.ss-blog.jp/2020-08-04
「横浜の中古レコードショップでとても珍しいレコードを手に入れました」
 →https://syoso-chunen.blog.ss-blog.jp/2021-05-04

彼女の明るく、そして丸みを帯びた美しい音はモーツァルトのピアノ協奏曲にはぴったりです。そしてこの演奏で特筆すべきは、同じイタリア出身のリッカルド・シャイーの指揮するロンドン・フィルハーモニーの清潔感溢れる好演です。同じ組み合わせでモーツァルトのピアノ協奏曲第20番、第21番の録音もあるようなので、こちらもいつか入手して聴いてみたいと願っています。ちなみに、このCDのライナーノーツで、映画俳優、オペラ演出家の三谷礼二氏(1934年~1991年)は彼女を「ティーポこそ最高のモーツァルト弾き!」と称した上で、

全体の構成がしっかりととらえられていて、あくまでその中で独特の旋律感をだすのも、ラテン人ティーポの美質であろう。特にモーツァルト特有の、音域が上向していくときの、音色の選択こそ、ティーポの美質の中の最上のものだ。それは、作品の構造との関係の中で、しばしば甘美で、しばしば独特の憂いを帯びるが、この際の濡れたようなメランコリックな美しさこそ、ティーポのモーツァルトの独壇場なのだ。
(以上、本CD、三谷礼二氏によるライナーノーツからの引用です)

と書いていますが、まさしくその通りだと、深く首肯した次第です。

マリア・ティーポは録音がそれほど多くない上、現在、入手困難なこともあって、「幻のピアニスト」と呼ばれていますが、幻のままにしておくにはあまりにも、もったいないピアニストです。現在、彼女のレコードやCDは国内外のネットオークションでは高値で取引されていて、なかなか私には手が出せません。彼女の録音がいつか、まとまった形で手軽に入手できるようになることを祈ってやみません。


こちらは今年3月にYoutubeにアップされた「Mozart Piano Concerto No 27 B flat major K 595 Maria Tipo Hans Vonk」。演奏日時等は明記されていませんが、別にアップされている動画(こちらは第一楽章のみ)と同一演奏のようですので、1991年5月11日、ドイツ、ケルンでのものだと思われます。動画から伺える、すり鉢状のホールは、まさしく「ケルン・フィルハーモニー」です。


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