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「殿山泰司ベストエッセイ」を読みました [本を読んでいる]

先ほど、会社の執務室で「殿山泰司ベストエッセイ」(ちくま文庫)を読み終えました。前に横浜伊勢佐木町の古本屋で殿山泰司著「日本女地図」を買って、40年かそこらぶりに再読したことを書きましたが(その時の記事はこちら→https://syoso-chunen.blog.ss-blog.jp/2022-02-17、他の彼の著作を読んでみたいと思い、こうして図書館から借りてきたのです。

銀幕やテレビで一度目にしたら忘れられない眼光鋭い禿げ親父。日本映画史に輝く名バイプレイヤー殿山泰司は、名エッセイストとしても知られている。国家も戦争も蹴っとばせ。あなあきい魂全開だ!酒とジャズとミステリを、そして何より自由を愛し、サングラスとジーンズで街を闊歩した「三文役者」の精髄を集めた決定版。(以上、Amazon「商品の説明」からの引用です)

殿山泰司(とのやま たいじ 1915~1989年)は「兵庫県神戸市出身。中央区立泰明小学校、東京府立第三商業学校卒業。終戦後の日本映画界において独特の風貌で名脇役として活躍した。ジャズとミステリーをこよなく愛し、趣味を綴った著書も多数残している。また、波乱万丈なその人生は、映画化もされている」(以上、こちらは「Wikipedia」からの引用です)人でして、関東風おでんの老舗名店「お多幸」の創業者の息子(彼自身は店を継ぎませんでした)としても知られています。私のような中高年の方ならばテレビや映画で、その姿を一度は見た覚えがあるかと思います。ほんと、かなり偏屈でくせの強そうな感じがしながらも、一度笑うと、その素敵な笑顔に思わず引き込まれてしまう、そんな、名脇役で知られた俳優であり、エッセイストです。

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在りし日の殿山泰司氏

私は、今回、初めて彼のエッセイを纏めて読みました。悪く言えばクソジジイの遠吠えのような文章なのですが、何といえばよいか、その語り口の軽妙さにとても魅力を感じました。「昭和には、こういう人って、いたよなー」とつい、自身が感傷にふけってしまいそうになります。正直、なんだかとても羨ましいと思いました。読んでいると何故か勇気が湧いてきます。どのエッセイも、素晴らしい「生の讃歌」だと感じました。いやあ、読んでみて良かったです。

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「殿山泰司ベストエッセイ」(ちくま文庫)


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