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松尾スズキ著「クワイエットルームへようこそ」を読み終えました [本を読んでいる]

これも少し前の話になってしまって恐縮ですが、松尾スズキ著「クワイエットルームへようこそ」(文春文庫)を読み終えました。この本は、以前同じ著者の小説「老人賭博」を貸してくれた会社の同僚が貸してくれたくれたものです(「老人賭博」を読んだ時の記事はこちら→https://syoso-chunen.blog.ss-blog.jp/2022-07-21。今回読んだ本は、

恋人との大喧嘩の果て、薬の過剰摂取で精神病院の閉鎖病棟に担ぎ込まれた明日香。そこで拒食・過食・虚言・自傷など、事情を抱えた患者やナースと出会う。普通と特別、正常と異常…境界線をさ迷う明日香がたどり着いた場所はどこか?悲しくて笑うしかない、絶望から再生への14日間を描いた、第134回芥川賞候補作。
(以上、Amazonの商品ページ「内容(「BOOK」データベースより)」からの引用)

といった内容のものです。私が驚いたのは著者の見事な筆力でして、主人公(女性)の視点と考え、そして思いなどがが見事に捉えられています。そのせいか、読んでいて、いつの間にか主人公に感情移入してしまっている私がいます。また、ストーリー自体も、面白いものでして読後感は(内容自体は暗いものにもかかわらず)爽やかなものでした。ちなみにこの小説は著者自らの脚本・監督で映画化(2007年公開)もされています(私はまだ観ていません)。

中編小説といっても短めで、軽く読めると言ってしまえばそれまでですが(汗)、私はこの著者の才能に好感を覚えました。また機会があれば彼の別の著作も読んでみようと思った次第です。

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松尾スズキ著「クワイエットルームへようこそ」(文春文庫)


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