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新感覚文豪ゲームブック「ゼッタイ! 芥川賞受賞宣言」(佐川恭一著)を読み(?)ました [本を読んでいる]

最近はよく、会社の同僚(後輩)が貸してくれた本を読んでいます(汗)。今度は佐川恭一の最新作となる新感覚文豪ゲームブック「ゼッタイ! 芥川賞受賞宣言」を貸してくれました。前にも書きましたが、以前、彼に「清朝時代にタイムスリップしたので科挙ガチってみた」を勧めたところ、読んで、いたく気に入ってくれたらしく、佐川恭一の著作を手に入れては、こうして私に貸してくれます。有り難いというか、彼の厚意にはただただ感謝するばかりです(ちなみに、前回、佐川恭一著「アドルムコ会全史」を読んだ時の記事はこちら→https://syoso-chunen.blog.ss-blog.jp/2023-09-08

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佐川恭一著「ゼッタイ! 芥川賞受賞宣言」(中央公論新社)

佐川恭一の最新作ということで、かなり期待して読んで(というか、遊んで)みたのですが、正直言って、あまり面白くなかったです(涙)。ゲームブックですので、ショートストーリーを読み、その後の展開を選択肢から選んで、その選択肢が指示するショートストーリを読む行為を続けていくことになるのですが、当然、どちらを選択するかは読者に任されています。結果、ゲームオーバーになったりしますし、エンディングにたどり着いた場合でもマルチエンディングになっていて、真のエンディングにたどり着くまで、先に述べた選択を何回も繰り返すこととなります。

問題は、このゲームブックにおけるそれぞれの選択肢が、その後のストーリーを大きく変えるに値するような意味をあまり持ち得ていないように思われることです。また、真のエンディング(本書では「芥川賞受賞」)までたどり着く過程こそが、著者が読者に一番伝えたかったことだと思うのですが、そうだとすると、そのストーリーは、私には薄っぺらなものに感じられて仕方がありませんでした。

面白い試みであることは認めますが、少し空回りしているような印象を受けました。「なんだか、とてももったいないなぁ…」というのが、私のこのゲームブックに対する感想です。

今回は、私にとっては期待を裏切る結果となってしまいましたが、佐川恭一氏のこれからの活躍(著作)には引き続き期待しています。彼は私が今、もっとも注目している日本人作家です。


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