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韓国の女流ピアニスト、クロエ・ムンが弾くシューベルト即興曲のライブ動画を観ました [音楽を聴いている]

前の記事で、ブラジルの女流ピアニストであるギオマール・ノヴァエス(Guiomar Novaes 1895~1979年)が録音したモーツァルトのピアノソナタ、第11番、15番、5番とロンドが収められたレコードのことを書きましたが、記事にアップしようとYoutubeのノヴァエスの動画を探していた時に、誤って別の動画をクリックしてしまい、偶然、観たのが、韓国の女流ピアニスト、クロエ・ムンが弾くシューベルト即興曲(D.899/D.935 全8曲)のライブ動画です。

https://www.youtube.com/watch?v=m9HSZeHjc_I&t
「F. Schubert Complete Impromptus, D899, D.935 - Chloe Jiyeong Mun 문지영」。2020年6月30日、Kumho Art Hallでのライブ演奏です。動画をそのまま貼り付けようとしたのですが、出来ない仕様になっていたので、リンク先を載せておきます。

最初は何気なく観ていて、すぐ止めようなどと思っていたのですが、いつの間にか私は、その見事な演奏に釘付けになってしまいました。その特徴を簡潔に言えば「豊かで美しいピアノの音に彩られた、自然かつ音楽性に満ちた表現」と言えば良いのでしょうか? シューベルトがこれらの曲を作曲していた時に、彼自身の頭の中に響いていた音楽は、こういう音ではなかったのかと思わせるものがあります。

私は小学生のころから、この曲集が大好きでして、ケンプ、ヘブラー、エッシェンバッハ、シュナーベル、エトヴィン・フィッシャー、ツィマーマン、グルダ、デムス、ブレンデル、バレンボイム、ルプー、ペライアといった、これまで多くのピアニストの演奏を聴いてきたのですが、クロエ・ムンの演奏は、それらにひけを取るどころか、同等もしくはそれ以上に魅力的な、本当に素晴らしい演奏だと思います。

クロエ・ムン(Chloe Mun 1995年~)は。

韓国の全羅南道麗水市で生まれた。6歳からピアノを習い始め、12歳まで地元の麗水市のピアノ学校で学んだ。その後、国内のいくつかのコンクールで頭角を現し、2009年には第8回若いピアニストのための国際コンクール「アルトゥール・ルービンシュタイン・イン・メモリアム」で優勝。2012年、ドイツのエトリンゲン国際若手ピアニストコンクールで優勝。2010年からは、ピアニストのキム・デジンの指導を受け、韓国芸術総合学校の大学院で学んだ。第3回高松国際ピアノコンクール優勝。2014年にスイスのジュネーヴ国際コンクールで優勝した後、2015年にイタリアのブゾーニ国際コンクールでも優勝(アジア人初の第1位)。それ以降、アレクサンダー・シェリー、ヴァレンティナ・ペレッギ、ディートリッヒ・パレデス、マッシモ・ベルやチョン・ミョンフンなど、国際的に有名なオーケストラや指揮者と共演している。2017年には、指揮者ベンジャミン・バイル率いるハイドン・オーケストラとイタリア・ツアーを行った。また、世界各地で室内楽やリサイタルを積極的に行っている。2017年にはドイツ・グラモフォンからデビューアルバムをリリース。(以上「Musician Clippy」における紹介文の引用)

とのことで(私は今まで、彼女のことを全く知りませんでした)、Youtubeには彼女の他の演奏もアップされていますが、どれもとても素晴らしいものばかりです。

こうして私は偶然ながらも、一人の才能に溢れた素晴らしい女流ピアニストを知ることができました。日本でリサイタルをしてくれる日が来るのを心待ちにしています。

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Chloe Jiyeong Mun


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ノヴァエスのモーツァルト、ピアノ独奏曲のレコードを入手し、聴いてみました [音楽を聴いている]

少し前の話になりますが、2月下旬に、ネットオークションでブラジルの女流ピアニストであるギオマール・ノヴァエス(Guiomar Novaes 1895~1979年)が録音したモーツァルトのピアノソナタ、第11番、15番、5番とロンドが収められたレコード(米VOX、オリジナル盤 1955年発売)を入手、自室でじっくりと聴いてみました。

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こちらが、今回私が入手したノヴァエスの弾く「モーツァルト ピアノソナタ、ロンド」のレコード(米VOX、オリジナル盤)

私のような、モーツァルトのピアノ独奏曲の演奏に、孤独感や焦燥感、諦念といった、何か別の意味合いを求めてしまう、そういう演奏を好む人にとっては、もしかしたら、あまり魅力的には感じられないのかも知れません。とはいえ、さすがは「20世紀の最も偉大なピアニストの一人に数えられている」(以上、Wikepedia解説文からの引用)ピアニストだけあって、音楽性豊かな正統的な演奏という言葉がぴったりでして、文句のつけようがありません。

こうして彼女の演奏を聴いて、いつも思うことは、彼女の演奏はもっと日本で知られるべきだということです。一部の好事家だけのものにしておくのは、あまりにも勿体ないと思えてなりません。


こちらはYoutubeにアップされている「Guiomar Novaes performs Mozart (1941-1953)」。ピアノソナタ2曲の第二楽章、そしてロンド(K.511)の演奏です。


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