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昨夜、自室でアストル・ピアソラの最後のアルバムである「現実との57分間」を聴きました [音楽を聴いている]

先週の木曜日に、千葉がんセンターに入院している高校時代からの友人を見舞いに千葉に行った時に、市内の中古レコード・CDショップ「Disk Union」で、アストル・ピアソラ(Astor Piazzolla 1921~1992年)が遺した最後のアルバムである「現実との57分間」(原題「57 Minutos Con La Realidad」、CD)を550円で購入、昨夜、自室でじっくりと聴きました。

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アストル・ピアソラ「現実との57分間」(CD)

恥ずかしながら、私はこのCDをこれまで知りませんでした。実際、あまり知られていないのではないでしょうか。ピアソラというと「タンゴ・ゼロ・アワー」に代表される後期五重奏団時代のものが特に有名で、その後の最晩年となる、活動時代が短く、かつメンバーチェンジもあった六重奏団時代については評価もそれほど高くなく、録音も多くは遺されていないようです。

しかしながら、このCDに聴く音楽(スタジオとライブとの録音)はとても見事なもので、これらの緊迫感、緊張感には思わず(聴いている方の)身が引き締まります。バンドネオン二台(ピアソラの健康状態を鑑みて二台となっています)、ピアノ、ギター、チェロ、コントラバスの編成で低音のドライブ感の増したこれらの演奏は独特の響き、豊穣感を持っており、特に音楽性の高いものとなっています。おそらく、新たに加入したピアノのゲラルド・ガンディーニがこの六重奏団にとって良い刺激になっているようです。名盤の誉れ高い「タンゴ・ゼロ・アワー」や「ライブ・イン・ウィーン」と並ぶ、もしくはそれらをも凌駕する、素晴らしい演奏かと思います。

このアルバムが、これまでそれほど知られていないのは不思議ですね。ピアソラファンなら必聴の、いや、全ての音楽ファンにとっても大切にすべき音楽芸術の遺産だと思います。このアルバムは(輸入盤ながら)再発もされていて、入手は比較的容易です。

こうして昨夜、私は貴重な音楽体験を得ることができました。はやりピアソラは偉大ですね。これからも折に触れて彼の音楽を楽しんでいこうと思った次第です。

ちなみにこれまでアストル・ピアソラについて、私が書いた記事は以下の通りです。興味のある方は是非読んでみて下さい。
「ピアソラ、そしてミルバとの共演ライブ「エル・タンゴ」について」
 →https://syoso-chunen.blog.ss-blog.jp/2016-04-04
「ミルバとピアソラによる1988年、東京でのライブCDをやっと手に入れました」
 →https://syoso-chunen.blog.ss-blog.jp/2017-12-16
「アストル・ピアソラとゲイリー・バートンのライブCDを手に入れました」
 →https://syoso-chunen.blog.ss-blog.jp/2018-06-22


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