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横浜の中古レコードショップでとても珍しいレコードを手に入れました [私の好きなピアニスト]

先日、友人との待ち合わせ時間まで少し時間があったので、横浜 関内の中古レコード・CDショップ「ディスクユニオン 横浜関内店/関内ジャズ館」に立ち寄ったときに、とても珍しいレコードを見つけました。

それはイタリアのナポリ出身のピアニスト、マリア・ティーポ(Maria Tipo 1931年~)が弾いた、シューマンの「ダヴィッド同盟舞曲集」「ピアノ・ソナタ第二番」が収められたレコード(伊盤)です。マリア・ティーポにはシューマンの「子供の情景」「花の曲」「交響的練習曲 op.13」を収録したCDがあることは知っていましたが(ネットオークションでも出品されていますが、とても高価で私には手が出せません)、「ダヴィッド同盟舞曲集」や「ピアノ・ソナタ第二番」も録音していたことは知りませんでした。値札を見ると980円と手頃でしたので、慌てて購入して大切に自宅に待ち帰りました。

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こちらが今回私が入手した、マリア・ティーポが演奏する「ダヴィッド同盟舞曲集」「ピアノ・ソナタ第二番」が収められたレコード

さっそく自室で聴いてみたのですが、とても盤質が悪く、音の悪さが気になってしまって音楽に集中できません。「まあ、安かったし、こんなものなのかなあ…」と思いつつも、もしかしたらと、以前記事でも紹介した、ケルヒャーの窓用バキュームクリーナーを使ったレコードの洗浄方法(その時の記事はこちら→https://syoso-chunen.blog.ss-blog.jp/2020-05-04を試してみることにしました。すると見事に復活、今度はノイズの無い見事な音質で聴くことができました。

そして改めて聴いた彼女の演奏ですが、本当に素晴らしいもので私を驚喜させました。彼女の演奏の魅力は「見事なテクニックに支えられた骨太で豊かな音楽性」ということになるかと思うのですが、これらのシューマンの演奏においては、時には気まぐれで小難しいとも思える「ロマンティック(「形式にとらわれない」という意味です)」なシューマンの音楽が極めて分かりやすいものになっています。「ダヴィッド同盟舞曲集」「ピアノ・ソナタ第二番」、どちらの演奏も素晴らしいのですが、特に「ダヴィッド同盟舞曲集」の演奏は秀逸なものです。私は、まさしくシューマンらしいという言葉がぴったりの、この曲集をこれまでうまく理解することが出来ていませんでしたが、マリア・ティーポの演奏を聴いて、初めて分かったような気がしました。そういう意味でも、この曲の私にとっての決定盤です。

「ピアノ・ソナタ第二番」の方は、私はこれまでアルゲリッチの演奏で聴いたことがあったかと思うのですが、マリア・ティーポの演奏も素晴らしいものです。「ダヴィッド同盟舞曲集」のときと同様、彼女の演奏には卓越した構成力が感じられます。これはバッハの演奏等を通じて常々感じていたのですが、こういうロマン派の音楽の演奏においてこそ、その恩恵に預かることができます。いやあ、ただただ感心するばかりです。

こうして私は、本当に素晴らしいシューマンの演奏に接することができ、このレコードは私の宝物になりました。こうした、なかなか手に入らない稀少盤を紹介するのは、なんだか自慢しているみたいで気がひけるのですが、余りにも素晴らしい演奏だったので、今回は敢えて紹介させていただきました。こういう演奏が埋もれてしまっているのは本当にもったいないと思います。多くの皆さんに聴いてもらいたいと願うばかりです。


こちらはYoutubeにアップされている「Maria Tipo ~ Schumann Kinderszenen, op 15」。テンポを遅めにとった情緒に溢れた演奏で、こちらも見事なものです。

私がこれまでマリア・ティーポのことを書いた記事はこちらです、もし良かったら読んでみて下さい。
「今頃になって、マリア・ティーポというイタリアの女性ピアニストを知りました(1)」
 →https://syoso-chunen.blog.ss-blog.jp/2020-06-29
「今頃になって、マリア・ティーポというイタリアの女性ピアニストを知りました(2)」
 →https://syoso-chunen.blog.ss-blog.jp/2020-08-04


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