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ジャズピアノトリオの中古盤を入手しました [音楽を聴いている]

このゴールデンウィークの最初の連休中に、今はまったく使っていないスキャナーなどを引き取って貰おうと、「BOOKOFF SUPER BAZAAR 綱島樽町店」に行きました。すると店内はとても混んでいて、査定が終わるまでに一時間ほどかかるとのこと。暇つぶしに、広い店内を色々と見て回って、中古レコードやCDなどを見ているうちに、つい購入してしまった(こらこらっ…)CDが、イタリアのジャズ・ピアニスト、エンリコ・ピエラヌンツィ(Enrico Pieranunzi 1949年〜)が1996年にピアノトリオ形式で録音した「The Night Gone By」です。

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Enrico Pieranunzi 「The Night Gone By」(CD)。いつも思うのですが、ジャズの日本企画盤って、ジャケットセンスを疑うものが多いです。これもCDとはいえ、もうちょっと、どうにかならなかったのかなぁ、などと思ってしまいます。

このCDはニューヨークで録音されてはいるものの、日本企画盤(アルファミュージック)でして、ベースはマーク・ジョンソン(Marc Johnson 1953年〜)、ドラムはポール・モチアン (Paul Motian 1931〜2011年)です。

ポール・モチアン と言えば、ビル・エヴァンス(Bill Evans 1929〜1980年)、スコット・ラファロ(Scott LaFaro 1936〜1961年)と共に「リバーサイド4部作」と言われるアルバム「ポートレイト・イン・ジャズ」「エクスプロレイションズ」「ワルツ・フォー・デビイ」「サンディ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード」におけるドラマーとして有名なジャズプレーヤーです。

またマーク・ジョンソンも、

1978年、ジョンソンはピアニストであるビル・エヴァンスのバンドに加わり、エヴァンス最後のトリオのメンバーとなった。ジョンソンは、1980年にエヴァンスが亡くなるまで一緒にツアーを行い、レコーディングを行った。2007年、彼はトリビュート・アルバム『サムシング・フォー・ビル・エヴァンス』を、妻でピアニストのイリアーヌ・イリアスと共にリリースしている。(以上、「’Wikipedoa」の解説文からの引用)

ですので、この企画は、日本で別格の人気を誇ったビル・エヴァンストリオの演奏を特に意識して企画・制作されたものと思われます。

私の場合、最近は中古レコードやCDを購入する機会はかなり減ってしまっています。というのも、インターネット音楽配信サービス「Spotify」に加入しているため、殆どの音楽(特にジャズ)はこれで事足りてしまうからです。なので「Spotify」でも聴くことができない、是非聴きたいと思ったレコードやCDしか今は買わなくなってしまっています。今回のような日本企画盤は「Spotify」で配信されていないことが多いのですが、一応チェックしてみたところ、やはり聴くことができないことが分かったので購入したという訳です。

エンリコ・ピエラヌンツィはヨーロッパのジャズ・ミュージシャンらしく、どちらかというとクラシック音楽よりの、叙情的でリリシズムに溢れたメロディアスな旋律を得意とするピアニストですが(私が以前、彼のピアノについて書いた記事はこちら→https://syoso-chunen.blog.ss-blog.jp/2016-03-08、このアルバムでは、ビル・エヴァンスの流れを汲んだ、現代ジャズのメインストリームのど真ん中と言って良い演奏を繰り広げています。

これ、なかなか良いです。隠れた名盤といっても良いのではないでしょうか。彼の叙情性が良い意味で活きています。私はすっかり気に入ってしまい、自宅のリビングや自室で何度もかけては楽しんでいます。

私が持ち込んだスキャナーは結局2000円で引き取ってもらったのですが、この中古CDを購入するのに1430円かかってしまいました。これでは何のために売りに行ったのか、分からないのですが(まさしく「ミイラ取りがミイラになる」です)、こうして私は、また一枚、素敵なジャズ・ピアノトリオのCDを知ることができました。


こちらはYoutubeにアップされている「The Night Gone By (Live}」。1996年12月、デンマーク、コペンハーゲンでの同じトリオによるライブ音源です。


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