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先週の木曜日、私は独りで横浜駅近くの映画館で「正欲」を観ました [映画を観ている]

先週の木曜日は一日、まったく予定が入っていなかったので、私は独りで外出し、本屋で前から欲しかった本を買ったり、前から言ってみたかったスパゲティ屋でナポリタンを食べたりした後、暇潰しも兼ねて横浜駅近くの映画館で映画を観ることにしました。

あまり派手な映画を観る気分では無かったこともあり、私は上映中の映画の中から、ちょっと地味そうな「正欲」というタイトルの日本の映画を選びました。そして、どんな映画なのか、まったく知らないまま、私はこの映画を観ました。

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映画「正欲」ポスター

この映画は、家庭環境や性的指向、容姿といった様々な“選ぶことのできない”背景を持つ人々の姿を描き、第34回柴田錬三郎賞を受賞した朝井リョウの同名ベストセラー小説を、稲垣吾郎と新垣結衣の共演で映画化したものです。内容は、

検事の寺井啓喜(稲垣吾郎)は、不登校の息子の教育方針をめぐり妻と度々衝突している。秘密を抱えた桐生夏月(新垣結衣)が世間と断絶を望み、ショッピングセンターで販売員をしていたが、秘密を知る佐々木が地元に帰って来たと知る。八重子は同じ大学に通う大也を気にしていて……といった具合に、まったく関わりがないかと思われた人物たちが、ある事件をきっかけにそれらの人生が交錯していく様を描く。この文章は「映画ナタリー」HPの作品情報の文章の一部を全面的に引用したものです。一部改変を加えています)

といったものでして、普通はなかなか理解されない、マイナーな嗜好を持つ人々の生きにくさ、また、そうした中での他者との繋がりが主なテーマとなっています。

正直に言いますと、私はとても退屈に感じてしまい、観るのを辞めてしまおうかとも思ってしまいました。何と言うか、とても動きの少ない映画で(普段、映画を見慣れない)私にはハードルが高かったです。そんな、どちらかというと後ろ向きの感想しか持てなかったのですが、唯一、神戸八重子役の東野絢香(ひがしの あやか 1997年〜)の演技にはとても心を動かされました。男性と接することが苦手な八重子は大学の学園祭実行委員で、多様性を称える「ダイバーシティフェス」を計画。諸橋大也が所属するダンスサークルを訪ね、出演を依頼したことから、女性に全く関心が持てない大也との接点が生まれ、彼を好きになる中、八重子が大学の教室で、秘めていた思いを大也に明かすという、6分半にも及ぶシーンなのですが、この場面の彼女の演技は真に迫っていて、私はその物凄い迫力と説得力に圧倒され、思わず滂沱の涙を流してしまった程でした。

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映画「正欲」の1シーンにおける神戸八重子(東野絢香)

この、映画初出演作だという東野絢香の演技を観るためだけでも、私はこの映画を観る価値があると思います。こうして私は、今後が楽しみな一人の女優を知ることができました。


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