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NHK-FMの音楽番組「古楽の楽しみ」でコレッリの「アッシジのソナタ」を聴きました [ラジオを聴いている]

前の記事で、姉が開いたコンサートでヘンデルのトリオソナタ 作品2-1を聴いたこと、そしてヘンデルはコレッリの影響を強く受けたことを書きましたが、このイタリアの作曲家、ヴァイオリニストでもあったアルカンジェロ・コレッリ(Arcangelo Corelli 1653~1713年)は私の大好きな作曲家です。

先日、以前に録音したNHK-FMの音楽番組「古楽の楽しみ」を聴いていたところ、今年11月18日の放送「17世紀~18世紀にローマで活躍したコレッリの作品1」で「アッシジのソナタ」が紹介されていました。このソナタ集は、

16~17歳の若き日のコレッリがボローニャで書いた『アッシジのソナタ』は、1963年にアッシジの聖フランチェスコ教会で手稿譜が発見された12曲からなるヴァイオリン・ソナタ集。発見から長い年月をかけて手稿譜の研究、分析、校訂を行い、作曲者の没後300周年となった2013年に世界初演、レコーディングが実現した。
(以上、東京エムプラスによるエンリコ・ガッティ「アッシジのソナタ」のCD紹介文からの引用です。一部編集しています)

ものです。今回、始めて、この若きコレッリのソナタ集を、私は新鮮な感動と共に聴き入りました。これらの曲がコレッリがわずか16~17歳の時に作曲されたものとは、驚き以外の何物でもないですね。確かに壮年期の主要作品と比べると曲想や完成度の点では僅かながら劣るところがありますが、何とも典雅で美しいソナタ集です。

「アッシジ」というと、私には苦い思い出があります。以前(といっても、30年以上前ですが)1990年代にドイツに赴任していたときにイタリアに何度か旅行し、世界遺産のあるシエナとアッシジを訪れようとしたことがあります。結局、シエナには行くことができたものの、アッシジへの訪問は叶わず、その後アッシジの世界遺産であるサン・フランチェスコ大聖堂は1997年に発生したウンブリア・マルケ地震で、聖堂の建物は大きく損傷してしまいました(2000年に修復済)。


こちらはYoutubeにアップされているアッシジのガイド動画。美しい街並みが本当に素敵です。いつか訪れてみたいものです。

そんな、私にとって未だ思い入れのあるアッシジに、若きコレッリの手稿譜が眠っていたこと自体が私にとっては驚きでした、そんな経緯からもこの曲集は特別なものとなりました。こうして聴くことができて良かったです。さっそく音楽配信サービスの「Spotify」で、ラジオでも放送されたエンリコ・ガッティのソナタ集をダウンロードしました。今や、この録音は私の愛聴盤となっています。

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E.ガッティとアンサンブル・アウローラによる世界初録音「アッシジのソナタ」(CD) 

今回は、コレッリの「アッシジのソナタ」について、私の雑感も含め、簡単に紹介させていただきました。興味をもたれた方は是非、一度聴いてみて下さい。16~17歳でこれらの曲集を作曲したコレッリの才能と、曲そして演奏の素晴らしさにきっと驚かれるかと思います。


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12月に入り二週続けて、週末に行われた家族や知人のコンサートに行きました [演奏会ノート]

12月に入り、二週続けて週末に、家族や知人の開いたコンサートに行きました。12月最初の日曜日は、姉が千葉県、浦安音楽ホールで行ったコンサートがあり、家内、長女と一緒に行きました。東京藝大を卒業後もピアノを続けながら、最近ではチェンバロも勉強している姉はバッハやヘンデルのトリオソナタやヴァイオリン曲の伴奏、ソロでショパンの「舟歌」を演奏しました。

今年の11月に待望の孫(女の子、私にとっては大姪にあたります)が産まれ、色々な意味で姉は人生の収穫の時期を迎えているような気がします。不肖の弟ながら、姉の人生が実り豊かなものになることを祈って止みません。この日の演奏は、色々とミスタッチ等も目立ちましたが、まあ、何とか無事に終わり、私をホッとさせました。九州の実家からは母、そして東京、町田に住む叔母や大井町に住む叔従母も駆けつけてくれて、久しぶりの再会を喜び合いました。

そして、この週末の日曜には、ヴァイオリンを弾く知人のお嬢様のコンサートが横浜、山手の教会で開かれ、家内と二人で伺いました。こちらはクラシックの有名曲を、2台のヴァイオリンとチェロ、ソプラノが曲に応じて構成を替えながらの演奏でした。知人のお嬢様は私の長女と、幼稚園時代からとても仲良くして頂き、彼女がヴァイオリンを習っているのを知った次女がヴァイオリンを習い始めるきっかけになったという縁もあります。

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こちらがコンサートが開かれた山手ロイストン教会。

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こちらはコンサート開始前の様子。プロテスタントの教会とのことでしたが、とても素敵な教会でした。

この日はコンサートの後、知人夫婦と私達夫婦で中区麦田町のイタリアンレストラン「長靴をはいた猫」で会食し、思い出話に花を咲かせました。昔からの知人との食事はとても楽しかったです。

知人のお嬢様は東京音大を卒業後、今は一般企業に勤めながらも、ヴァイオリンを続けています。姉のコンサートも13回目、知人のお嬢様のコンサートも今回で14回目を迎えたとのこと。こうしてきちんと続けているところが立派だなあと感心します。これこそ音楽に対する愛情の深さの証かと思います。

ちなみに話は戻りますが、姉が開いたコンサートでトリオで演奏されたヘンデルのトリオソナタ 作品2-1は私の大好きな曲です。さっそくその日は家に帰ってから、音楽配信サービスの「Spotify」でオリジナル楽器による演奏を再度楽しみました。典雅で哀愁を帯びた曲調が素晴らしいですね。ヘンデルはコレッリの影響を強く受けたと聞いていますが(一方、バッハはヴィヴァルディの影響を強く受けています)、この曲などはコレッリの曲だと言われても通用しそうです。

また、知人のお嬢さんのコンサートでは「カッチーニのアヴェ・マリア」が演奏されました。この曲はイタリア・ルネサンス音楽末期、バロック音楽初期の作曲家であるジュリオ・カッチーニ(Giulio Caccini 1545~1618年)の名前が冠されていますが、実際はソビエトの音楽家ウラディーミル・ヴァヴィロフ(Vladimir Vavilov 1925-73年)によって1970年頃に作曲された歌曲です。とはいえ、とても美しい曲です。


こちらはYoutubeにアップされているエリーナ・ガランチャ(Elīna Garanča 1976年~)による「カッチーニのアヴェ・マリア」

こうして、私は二つのコンサートをのんびりと楽しみました。姉のコンサートは発表会、かたや知人のお嬢様のコンサートはサロン・コンサートの趣きでしたが、どちらも私にとっては印象深いものとなりました。


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