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チャールズ・ミンガスの「ミンガス・プレゼンツ・ミンガス」について [音楽を聴いている]

以前の記事で、今年のお正月に横浜、関内の中古CD・レコードショップ「Disk Union」でチャールス・ミンガス・セクステット・ウィズ・エリック・ドルフィーの、1964年3月18日ニューヨーク市コーネル大学でのライヴ音源「コーネル1964」(CD二枚組)を購入し、とても感銘を受けたことを書きましたが(その時の記事はこちら→https://syoso-chunen.blog.ss-blog.jp/2020-01-13-1)、それから、改めてチャールズ・ミンガス(Charles Mingus 1922~1979年)の遺した録音を聴きなおしています。その中で「直立猿人」と並ぶ彼の代表作である「ミンガス・プレゼンツ・ミンガス」(1960年録音)を今回は紹介したいと思います。

私が持っているCD(国内盤)は「キングレコード 低音シリーズ」と題されたもので、リマスタリングによりベースの音が生々しくなっていると謳われているものです。確か九州の実家にはレコードがあったかと思うのですが、聴き比べていないのでその効果の程は私には不明です。それよりもこのCDの最大の特徴はミンガスのナレーション、歌詞の完全ワーディングと和訳が付いていることです。収録曲である彼の代表曲「フォーバス知事の寓話」の対訳を読むことができるのは、何といっても有り難いです。

これを読むと「怒れるベーシスト、チャールズ・ミンガス」として有名な、彼の人種隔離反対運動家としての一面を理解することができます。こうした政治的なメッセージ(詩)と音楽が融合、一体化して、更なる芸術の高みに到達しているところが、なんといっても彼の凄いところです。

数あるジャズマンの中でもこの点で、私にとってチャールズ・ミンガスは特別な存在となっています。ジャズ(とブルース)は、その根っこのところで、こうした、抑圧され差別された黒人の感情の発露であり叫びを抱えていることに改めて気づかされます。

是非、一度(できれば対訳とともに)このレコード(CD)を聴いてみてください。今でも彼の音楽はその輝きを失うどころか、さらに輝きを増しています。私はこれからもミンガスの音楽を聴き続けようと思った次第です。

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こちらが私が持っている本CDのジャケット、帯、ライナーノーツ

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そして、こちらがライナーノーツの「フォーバス知事の寓話」の対訳部分(写真を左クリックしていただければ拡大して見ることができます)。


こちらはYoutubeにアップされている「Charles Mingus Presents Charles Mingus (1960) (Full Album)」。ちなみにHP「万象堂」の中の記事「第99回 クンビア・アンド・ジャズ・フュージョン」におけるミンガスの怒りについての考察はとても興味深く勉強になります。また、最後の【蛇足たる補足】にて「ミンガス(MINGUS)という名のお店等の特集」をされていますが、あまりの面白さに爆笑してしまいました(この記事の最後に私の大好きなジャズ喫茶店である東京都蒲田の 「直立猿人」が何気なく紹介されています)。興味のある方はぜひ読んでみてください(勝手に紹介していますが、もし問題がありましたらご連絡ください。すぐに削除します)。
その記事はこちら→https://www.banshodo.com/webook/jazznight/099_Charles_Mingus.html


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