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アニャ・レヒナーの弾く、グルジエフの音楽にハマっています [音楽を聴いている]

ふとしたきっかけで、インターネット音楽配信サービス「Spotify」でドイツ生まれのチェリスト、アニャ・レヒナー(Anja Lechner 1961年〜)の録音を聴き、アルメニア共和国生まれの神秘主義者で、作曲家、舞踏家としても知られ、主にロシア、フランス、アメリカなどで活動したゲオルギイ・イヴァノヴィチ・グルジエフ(George Ivanovich Gurdjieff 1866〜1949年)の音楽を知りました。

グルジエフは、ロシアの作曲家であるトーマス・ド・ハートマン(1885〜1956年)との共作で、数々のピアノ曲を残した。ハートマンの手記によると、グルジエフはピアノを一本指で弾くことで、あるいは口笛によって旋律を指示し、ハートマンがそれを展開させていくと、さらにグルジエフが新しいパートを加えるなどして、曲が生み出されていった。(以上「Wikipedia」解説文からの引用です)

彼の作曲の動機は自らの教義を実践するためのものだったそうで、彼自身がユーラシアをくまなく旅をした中で採集した音楽を、彼なりに消化し、弟子のハルトマンに伝え、ハルトマンが採譜しながら二人で作曲したということのようです。

彼の音楽は神秘的かつ宗教色に溢れたもので、チェロとピアノによる演奏ながら、私が知る、西洋音楽(クラシック音楽)とはかなり異なった趣きがあります。「風の民」の音楽と言えば良いのでしょうか、非常に静的でありながらドラマティック、かつ悲劇的な物語性を感じます。

私が聴いたのはアニャ・レヒナーが、2003年にギリシャ出身のピアニストで作曲家でもあるヴァシリス・ツァブロプーロス(Vassilis Tsabropoulos 1966年〜)と共演した「Chants,Hymns and Dances(聖歌、讃歌、舞踊)」と、同じく彼女が、2014年にフランスのジャズ・ピアニストで作曲家のフランソワ・クチュリエ(Francois Couturier 1950年〜)と共演した「Moderato cantabile」(どちらもECMレーベル)です。

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「Chants, Hymns and Dances(聖歌、讃歌、舞踊)」

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「Moderato cantabile」

前者にはグルジエフ以外に共演者であるツァブロプーロスの作品、後者も共演者のクチュリエの作品、そしてトルコ生まれでアルメニア国籍の司祭、音楽学者、作曲家であり歌手、合唱指揮者でもあったコミタス(Vartapet Komitas 1869〜1935年)、スペインの作曲家モンポウ(Federico Mompou 1893〜1987年)の作品も演奏されています。どちらも、内容は非常に個性的かつ音楽的魅力に満ちたもので、まったく飽くことがありません。特に前者の「Chants,Hymns and Dances」には多くのグルジエフの音楽が収められているので、彼の音楽を知るには、まずこちらから聴いてみることをお勧めします。

世界には多くの、私がまだ知らない素晴らしい音楽があります。今回、彼の音楽を知ることができて、本当に良かったです。


こちらはYoutubeにアップされている「Gurdjieff Chants "Hymns and Dances" - 01」


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