SSブログ

コロナウィルスのこと、そしてマスクのこと… [考えている]

中国の武漢は、いまだにコロナウィルスのせいで封鎖が続いています。私は去年の三月に武漢に出張し、街の佇まいやそこで暮らす人々の様子、そして湖北料理に親近感を抱いていましたので、テレビで今の武漢の窮状を見るにつけ、心が痛みます。とはいえ、もう日本も対岸の火事だと、たかをくくっている場合ではなくなりました、一刻も早く、この騒ぎが収まることを祈るばかりです。

私が昨年、武漢に出張した時の記事はこちらとなります。もしよかったら、読んでみてください。
「仕事で中国、武漢を訪れています (1)」
https://syoso-chunen.blog.ss-blog.jp/2019-03-07
「仕事で中国、武漢を訪れています (2)」
https://syoso-chunen.blog.ss-blog.jp/2019-04-16-1
「仕事で中国、武漢を訪れています (3)」
https://syoso-chunen.blog.ss-blog.jp/2019-04-17

昨夜、横浜の老舗高級ホテルで取締役総支配人を務める、30年来の旧友と夕食を共にしたのですが、(ホテルでの)宴会はほぼ全てキャンセルとなり、厳しい状況となっているそうです。とはいえ、このホテルの経営は盤石な上、これまでの蓄えもかなりあるため、当面、心配はないとのこと。彼は、この状況が、あまり長く続くと経営危機に陥るホテルが出てくるのではと、他のホテルのことをかなり心配していました。観光業界は本当に大変なようです。

今、みなさんが一番困っているのが、マスクですよね。マスクにどれだけ予防効果があるか、少々疑問ながらも、唾液や鼻水の(他の方への)飛散を防ぐという意味では、外出時のエチケットとして、マスクをしていないと(満員電車等では)肩身の狭い思いをします。

自宅にはマスクの備蓄がそれなりにあるので当分の間は困らないのですが、それでもなるべく節約しようと、家内は布製のマスクを自作したりしています。家内と娘は花粉症なので、この時期、家の中でもマスクが必需品となっているのです。そんななか、家内がお友達から聞いてきたのですが、(友達は)紙製の使い捨てのマスクを洗って、再利用しているとのこと。一度使ったマスクを(例えばネットに入れて洗濯機で洗っても大丈夫だそうです)洗い、干したマスクをアイロンで整えれば(アイロンはあて布をして低温でかけないと、マスクの前面、紙が重なっている部分がくっついてしまい、使い物にならなくなります)新品同様に蘇るそうです。さっそく家内も、使ったマスクをつけおき洗いして、再利用するようになりました。何回、洗えるかどうかは分かりませんが、これで、もう「マスクパトロール」する必要も無くなった(おいおいっ)と喜んでいました。

女性の場合は、マスクに口紅が付いてしまい、再利用するのが躊躇われることもあるとのことですが、これもマスクと口の間にティッシュを一枚挟み込むことで、マスクが汚れるのを防いでいるとのこと。皆さん、色々知恵を絞って、この難局に立ち向かっているようです。なんだか励まされます。

私は、以前にも書きましたが、病気(多発性筋炎)のせいで免疫抑制剤を大量に服用している上、合併症として間質性肺炎も抱えているので、今回のコロナ騒動は切実な問題(私の場合、感染すると間違いなく重篤化します)です。日頃、家に帰ったらうがいをしたり、頻繁に手の消毒をしたりしています。とはいえ、どこで感染するか分からない状況というのは、何とも困ってしまいます。

こうした状況を見ていると、10年以上前に読んだ、1998年にノーベル文学賞を受賞したポルトガルの作家、ジョゼ・サラマーゴ(José de Sousa Saramago 1922~ 2010年)の小説「白の闇」を思い出します。内容は、

ある男が、突然失明した。それは原因不明のまま次々と周囲に伝染していった。事態を重く見た政府は、感染患者を隔離しはじめる。介助者のいない収容所のなかで人々は秩序を失い、やがて汚辱の世界にまみれていく。しかし、そこにはたったひとりだけ目が見える女性が紛れ込んでいた……。 極限に追い詰められた人間の弱さと魂の力を圧倒的な筆力で描いた現代寓話。
(以上、Amazon「内容紹介」からの引用です)

というものですが、今の状況と重なる点が多いのではないでしょうか? 折を見て再読してみようと思った次第です。

41ux6ZnF12L.jpg
ジョゼ・サラマーゴ 「白の闇」新装版(日本放送出版協会)。3月5日には河出文庫で文庫化されるようです。ちょうどよいタイミングだと感心しました。


共通テーマ:日記・雑感