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ヴァイオリンの発表会で久しぶりに次女の演奏を聴きました [演奏会ノート]

先週の土曜日に次女が習っているヴァイオリンの発表会があり、私たち家族は東京 中目黒の小さな音楽ホールを訪れました。

次女は幼稚園の年中から中学2年まで、東京藝大を卒業したベテランの先生達の下で、ヴァイオリンを本格的に習っていました。当時はコンクールでの受賞を目指したり、音楽学校への進学も考えていたのですが、ヴァイオリンを続ける上での経済的な問題もあって、中学3年で、そうした方向に進むことを諦めさせ、彼女はその後ヴァイオリンにも触れることなく、高校では聖歌隊、大学では体育会のアーチェリー部に所属したりしながら、(私が見る限り)楽しく充実した学生生活を送っていました。

そんな次女が、大学卒業を目前に控えた時期に、(自身の意志で)もう一度ヴァイオリンを習いたいと言い始め、以前、通っていた先生に連絡をとり、そのレッスンに通うようになりました。私は、過去に次女にヴァイオリンを諦めさせた負い目があったこともあり、この彼女の決断は(親として)本当に嬉しかったです。実は、これこそ、彼女が私たちにしてくれた最大の親孝行ではないかとすら思っています。

今回の発表会では、次女はバッハのシャコンヌを弾きました。実は中学2年の時の発表会でも、このバッハのシャコンヌを弾いています。久しぶりの次女の演奏を、私たちはハラハラしながら聴きました。以前、本格的にヴァイオリンを練習していた時と比べるとテクニックは落ち、音程も定まらないところも多々、あったのですが、私は特別な感慨を持って、彼女の演奏に耳を傾けました。

ご存知の通り、バッハのシャコンヌは無伴奏ヴァイオリンの為のパルティータ第2番の終曲にあたり、それだけで演奏時間は15分程要する大曲です。全てのヴァイオリニストにとって、この曲は特別な意味を持つもので、演奏には演奏者の力量はもちろんのこと、人格を含めた全てが現れてしまうとも言われています。(ちなみに、以前、バッハのシャコンヌについて書いた記事はこちら→https://syoso-chunen.blog.ss-blog.jp/2012-02-13

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こちらはシャコンヌのバッハ自筆譜

本当に嬉しいことに、私は、次女の今回の拙い演奏に、彼女の人間的な成長を感じたのです。どうも家内も同じようなことを感じていたようで、(以前より下手になった娘の演奏を)聴くことすら敬遠しようとしていた彼女も、次女の演奏が終わった時は少し嬉しそうな顔をしていたのが、とても印象的でした。

とはいえ、さすがに、もう少し練習しないと、先生は勿論、バッハにも失礼ですね(苦笑)。本当は、このブログに、今回の動画か音声ファイルをアップしようと思っていたのですが、彼女の名誉を考えて今回は遠慮することにします。会社人一年目、とてもヴァイオリンを練習する余裕もなさそうな次女ですが、これからも、細々とでも良いのでヴァイオリンを続けてくれればと心から願っています。


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