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先月の金沢出張時に入手した中古レコードについて [音楽を聴いている]

以前、1月下旬に金沢に一泊二日で出張したときのことを記事にしましたが(その時の記事はこちら→https://syoso-chunen.blog.ss-blog.jp/2023-01-30)、金沢市内の中古レコード屋「レコードジャングル」で購入した(800円でした)中古レコードの紹介を失念しておりました。遅ればせながら、今回、そのレコードをご紹介したいと思います。

それは「Phil Talks With Quill」と題された、1957年にニューヨークで録音されたフィル・ウッズ(Phil Woods 1931~2015年)とジーン・クイル(Gene Quill 1927〜1988年)の二人のアルトサックス奏者の共演が楽しめるジャズのレコードです。

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こちらが私が入手した「Phil Talks With Quill」(国内盤)

私はこのレコードのことを、つい最近(今年の1月6日)、横浜、野毛の老舗のジャズ喫茶「ダウンビート」で知りました。なんともゴキゲンで聴きやすい演奏で、一発で気に入った私は、こうして金沢の中古レコード屋で再会し、思わず購入してしまったというわけです。

なんで、私はこれまで知らなかったのだろうと首を捻るくらい、このレコードに収められている演奏は素晴らしいものです。ジャズ好きでこのレコードを嫌いな人はいないでしょう。Bob Corwin (p)、Sonny Dallas (b)、Nick Stabulas (ds)のサポートも良いもので、ジャズの楽しさ、喜びを存分に味わうことができます。

もし、まだ聴いたことがない方はぜひ聴いてみてください。本当にお勧めですよ。


こちらはYoutubeにアップされている「Phil Woods and Gene Quill-Phil Talks With Quill-Dear Old Stockholm (Track 4)」。レコードではB面の一曲目に収録されています。

ちなみにこれまでフィル・ウッズについて書いた記事は以下のものとなります。興味のある方は是非、読んでみてください。
「二泊三日で郡山と仙台に出張しました(2)」
 →https://syoso-chunen.blog.ss-blog.jp/2019-12-03
「最近は聴いてて元気になるジャズアルバムを聴いています」
 →https://syoso-chunen.blog.ss-blog.jp/2020-06-10


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慶應大学病院で人間ドックを受け、その帰りがけに立ち寄った新宿の中古レコード・CDショップで一枚のCDを入手しました [音楽を聴いている]

少し前の話になりますが、1月12日に慶應大学病院で会社が指定する人間ドックを受けた後、少し時間があったので、新宿まで寄り道をして、中古レコード・CDショップ「ディスクユニオン新宿クラシック館」を訪れました。以前とはお店の場所が変わっていて、たどり着くのに苦労しながらも、何とか入店、さっそく店内を物色し始めました。

そして購入した一枚のCDが国際的に活躍している日本人リュート奏者、佐藤豊彦(さとう とよひこ 1943年~)が2002、2003年にオランダのメノナイト教会で録音した「華麗なる様式」と題された、ヴァイヒェンベルガーのリュート作品集です。

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佐藤豊彦「華麗なる様式~ヴァイヒェンベルガーの音楽」(CD、東京エムプラス)

私自身、このCDを見るまでオーストリアのリュート奏者、作曲家であるヴァイヒェンベルガー(Johann Georg Weichenberger 1676年~1740年)のことを全く知りませんでした。Wikipediaによると「本職は王室付き出納係だった」とありますので、アマチュア作曲家ということになるのでしょうか。CDの帯にかかれた「世界初録音」「レコード・アカデミー賞音楽史部門賞受賞」という言葉に惹かれ、思わず購入、帰宅後、自室でじっくりと聴いてみました。

これは何とも「メランコリック」という言葉がぴったりの音楽です。CDに載っている佐藤豊彦氏自身の解説では「ヴァイヒェンベルガーはあくまでもフランス派の「崩された様式」を基本としたドイツ語圏最後のリュート奏者の一人として「艶めかしいまでに悲しく美しい旋律」を作れる稀有な存在であった」とあります。

何といえば良いのか、このCDをかけているだけで気分が落ち着きます。これまで何回も聴き直しているのですが、聴けば聴くほど、しっくりくるというか彼の音楽の魅力に引き込まれます。私はこうして、素晴らしい音楽に出合うことができました。


こちらはYoutubeにアップされている、佐藤豊彦氏にも師事した楞野康裕(かどのやすひろ)による「ヴァイヒェンベルガーのシャコンヌ(リュート)"Chaconne" by Weichenberger」。

ちなみに、以前、佐藤豊彦氏のCDやレコードについて書いた記事はこちらとなります。興味のある方は読んでみて下さい。
「日本人のバロック・リュート奏者である佐藤豊彦の「ヴァイス作品集」を聴いてみました」
 →https://syoso-chunen.blog.ss-blog.jp/2017-06-23-1
「8月下旬に一泊二日の旅程で札幌に出張しました」
 →https://syoso-chunen.blog.ss-blog.jp/2018-11-06-1
「日本を代表するリュート奏者である佐藤豊彦のCD「せせらぎ」を聴きました」
 →https://syoso-chunen.blog.ss-blog.jp/2021-05-07


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クリストフ・ルセの弾くフランソワ・クープランのクラブサン曲全集(CD12枚組)を入手しました [音楽を聴いている]

先日、待ち合わせまでの暇つぶしに入った中古レコード・CDショップ「ディスクユニオン横浜西口店」で、フランス・アヴィニョン生まれのチェンバロ奏者クリストフ・ルセ(Christophe Rousset 1961年~)が1992年から1994年にかけて(デジタル)録音した、フランソワ・クープランのクラブサン曲全集(CD12枚組、11CD+BONUS CD)の中古盤が4.600円程で売られているのを見つけました。

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クリストフ・ルセ「フランソワ・クープラン クラブサン曲全集」(CD)

見つけた時は購入するかどうか迷ったものの、この機会を逃したら、もう聴く機会がないかもと思い直し、思い切って購入、自宅に大切に持ち帰りました。ご存じの方も多いかと思いますが、このクリストフ・ルセが録音したフランソワ・クープラン(François Couperin 1668~1733年)のクラブサン曲全集は、名演で知られたものでありながら廃盤になって久しく、2012年にSACD化され再販されたものの、こちらも今は廃盤になっていて、中古盤がオークションで高値で取引されるなど、入手がとても困難なものとなっています。

私が入手したのはCD盤ですが、元々、名録音で有名だったものですし、私の駄耳でしたら、これで十分です。中古とはいえ、クラヴサン曲集第1-4巻、2台のクラヴサンのための曲集全て、262曲もの演奏が5000円以下で手に入れられるなんて、良い時代になったものです。

一聴して感じたのは、なんて聴きやすく、分かりやすい演奏なんだろうという驚きでした。フランソワ・クープランのクラブサン曲全集というと、私はこれまでブランディーヌ・ヴェルレ(Blandine Verlet 1942~2018年)(この全集を揃えた時の記事はこちら→https://syoso-chunen.blog.ss-blog.jp/2020-09-26、スコット・ロス(Scott Ross 1951~ 1989年)、オリヴィエ・ボーモン(Olivier Baumont 1960年~)によるもの(このうちボーモンの全集は、新品でも3千円台半ばという、驚くべき安さで購入することができます)などを、これまで愛聴してきました。どれも素晴らしい演奏であることは論を俟たないものの、今回入手したクリストフ・ルセによるものが、一番明快かつ聴きやすいように思われます。多分、その秘密は、趣味の良いイネガル(inégale)奏法とテンポの設定によるものではないかと思うのですが如何でしょう。それにしてもピアノと比べて音の強弱や長さを調整することが難しいクラブサンで、ここまで音楽を表現できることに改めて驚かされます。

今は、朝早く起床した時などに、リビングルームで、独り、このクリストフ・ルセの全集を聴くのが無上の喜びです。初めてフランソワ・クープランのクラブサン曲を聴こうとする方には、断然私はこちらをお勧めします。


こちらはYoutubeにアップされている「Francois Couperin 3rd Book of Harpsichord Pieces, Christophe Rousset 1/3」。Youtubeには、彼の他のクープラン演奏も色々とアップされています。


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「バロックの真珠たち」と題された、天野乃里子のハープシコード作品集のCDを聴きました [音楽を聴いている]

少し前の話になりますが、会社で仕事をしていた時に秘書が、「焦燥する中年男さん、このCD、役員室の余り物なのですが、良かったら聴きます?」と一枚のCDを手渡してくれました。それは「バロックの真珠たち」と題された、天野乃里子が2008年に日本で録音したハープシコード作品集のCDでした。ダングルベール、シャンポニエール、パーセル、スカルラッティ、クロード・ダカン、エリザベト・ジャケ=ド=ラ=ゲール(私が彼女について書いた記事はこちら→https://syoso-chunen.blog.ss-blog.jp/2022-07-15、フレスコバルディ、フォルクレといったバロック音楽を代表する作曲家たちのハープシコード(クラブサン)曲が収められています。

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天野乃里子「バロックの真珠たち 」(CD)

恥ずかしながら、私はこれまで天野乃里子というハープシコード奏者のことを知りませんでした。彼女は「フランス様式のスペシャリスト」(本CD内の紹介文からの引用)とのことですが、一聴して感じたのは、しっかりとしたテクニックに裏付けされた、伝統に即した演奏をする人なんだなということでした。なかなか素晴らしいのではないでしょうか。

私は、このような、日本人によるバロック音楽の演奏をもっともっと聴くべきだと痛感した次第です。


こちらはYoutubeにアップされている「LIVE: Vioolsonates van J.S. Bach - Noriko Amano & Sayuri Yamagata」。山縣さゆりのバロックヴァイオリンの演奏もふくめ、素晴らしい演奏です。ちなみに天野乃里子さんですが、私の次女の出身高校の先輩で、また、長女の出身大学の先輩でもあることを知り、急に親近感を覚えるようになりました。(°O゜)☆\(^^;) バキ!


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久しぶりにジャズの中古CDを購入しました [音楽を聴いている]

先週、独りで横浜、野毛の老舗のジャズ喫茶「ダウンビート」に入ると(以前、このお店のことを書いた記事はこちら→https://syoso-chunen.blog.ss-blog.jp/2022-03-18、ゴキゲンなジャズが耳に飛び込んできました。慌てて何がかかっているのか確かめると、それはアメリカのジャズ・サクソフォーン奏者、ゲイリー・バーツ(Gary Bartz 1940年~)が1967年に「Gary Bartz Quintet」名義で発表したファーストアルバム「リブラ(Libra)」 (Milestone)でした。

(前回の記事に引き続き)恥ずかしながら、こののジャズ・サクソフォーン奏者のことを、私は知りませんでした。アップテンポの、時にはフリージャズっぽい曲もありながら、その見事にコントロールされたアルトサックスの丸みを帯びた音は美しく、思わず聴き入ってしまいます。これは素晴らしいですね。思わずお店のスタッフに「この演奏、良いですね~」と軽口を叩いてしまったほどです(汗)。

帰宅してから、さっそくインターネット音楽配信サービス「Spotify」で彼の演奏を検索してみたのですが、残念ながら古い録音についてはアップされていません。どうしても、あのアルバムをまた聴いてみたいと思った私は、インターネットでこのアルバムを探してみたところ、この Gary Bartzのデビュー作と第二作(1968年発表「アナザー・アース」。レーベルは同じMilestone)を2in1した中古CDが、安価にてAmazonで売られていたので、思わずポチッと購入してしまいました。

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こちらが今回入手したゲイリー・バーツ「Libra / Another Earth」

今週、このCDが届いたので、さっそく聴いてみたのですが、「ダウンビート」で聴いた時と同じ感動を与えてくれて、私を喜ばせました。CDの収録時間に限りがあったためか「Libra」に収録されていた「disjunction」という曲が未収録となっているのはとても残念ですが、どの演奏も、1960年代後半のジャズの雰囲気を存分に感じさせながらも、判りやすく(多分、その点が辛口のジャズファンにとっては物足りないと思われるところかもしれません)、親しみやすい演奏ばかりです。また、私の愛聴盤が増えました。

これから折を見て、彼の1970年代以降の演奏も聴いてみようと思っています。世界には私がこれまで聴いたことないジャズの名演奏が、それこそ山のようにあります。これからもジャズを存分に楽しもうと改めて思った次第です。


こちらはYoutubeにアップされている「Gary Bartz – Ju Ju Man (1976)」。こちらの演奏は、1970年代の雰囲気を色濃く感じられる作品となっています。


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ドイツ出身のピアニスト、ラルス・フォークトの「ショパン作品集」を聴きました [音楽を聴いている]

日本経済新聞の日曜版「NIKKEI STYLE」でその中でも音楽、映画等の紹介記事である「名作コンセルジュ」は、私にとって読むのを特に楽しみにしているコーナーです。先週の日曜日、11月13日にはドイツ出身のピアニスト、ラルス・フォークト(Lars Vogt 1970〜2022年)が2013年に録音した「ショパン作品集」が紹介されていました。

恥ずかしながら、私はこのピアニストのことを今まで全く知りませんでした。慌ててインターネット音楽配信サービス「Spotify」で検索していると、多くの録音が配信されています。さっそく、ショパン作品集をリビングルームで聴いてみることにしました。

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ラルス・フォークト「ショパン作品集」

最初の曲であるバラード第一番から、私は彼の演奏に惹きつけられました。なんて内省的かつ異色な演奏なのでしょうか。日経の紹介記事には「21世紀ならではのショパン」と書かれていましたが、まさしくこの言葉がぴったりだと感じます。非常に繊細ながらも、演奏自体は明晰なもので、録音の良さも相まって、音楽がとても立体的に聞こえます。このアルバムに収められている曲の中では、何と言ってもバラード第一番と並んでピアノソナタ第二番の演奏は、彼の個性が特に際立ったもので、私は息を殺しながら、ただただ聴き入った次第です。

今まで、彼の演奏を知らなかったことが悔やまれます。その上、なんと彼は今年の9月に癌で亡くなっていて、もう彼の生演奏を聴くことは叶いません。

これから彼が遺した録音をじっくりと聴いてみようと思います。今回、こうして素晴らしいピアニストを知ることができました。そんな彼が51歳の若さで亡くなってしまったことは、とても残念でなりません。ご冥福を心からお祈りいたします。

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こちらが2022年11月13日「NIKKEI STYLE」での紹介記事、写真を左クリックしていただくと拡大して読むことができます。この記事は、彼のショパン演奏の特徴を見事に表した素晴らしいものだと思います。


こちらはYoutubeにアップされている「Lars Vogt Encore Chopin Nocturne, Berlin, Philharmonie 10.5.2009」


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エチオピアの修道女であり女流ピアニストでもあるエマホイ・ツェゲ=マリアム・ゴブルーの演奏を聴きました [音楽を聴いている]

先日、ふとしたきっかけで、エマホイ・ツェゲ=マリアム・ゴブルー(Emahoy Tsegué-Maryam Guèbrou 1923年~)というエチオピアの、修道女でありピアニストである女性のことを知り、さっそくYoutubeで演奏を聴いてみることにしました。彼女は、

1923年にアディスアベバに生まれた彼女は、幼少期をスイスとエジプトの音楽学校で学び、クラシックの教育を受けたが、41年にエチオピアがイタリア占領から解放されると、祖国に戻った彼女は伝統的な宗教音楽の魅力を再発見し、エチオピア正教会の修道女となった。(中略)彼女は84年に正教の聖地イスラエルに移住し、今も現役で演奏しているという。(以上「Amazon」におけるCD「Ethiopiques Vol.21」におけるボルゾイ氏によるカスタマーレビューからの引用です。)

とのことです。

聴いてみると、これまで、あまり聴いたこともないような独特の音楽世界に驚かされました。彼女の音楽はアフリカの教会音楽にエリック・サティをはじめとする西洋クラシックの要素を加えたものと評されているようですが、エチオピア特有のオリエンタリズムが充満したメロディはジャズっぽく、そしてブルージーなもので、何とも言えない味があります。

彼女の音楽は部屋で流しっぱなしにしても、気にならないというか、自然と耳に入ってくるような感じで聴きやすいものです(そういう意味で、彼女の音楽をアンビエントともポスト・クラシカルと言う方もいるようです)。世界には色々な音楽があること、そして音楽が無限の可能性を持っていることを実感します。私にとって貴重な音楽体験となりました。


こちらはYoutubeにアップされている「Emahoy Tsegue Maryam Guebrou nonstop audio」


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恥ずかしながら、最近になってエリザベト・ジャケ=ド=ラ=ゲールという女性作曲家のことを知りました [音楽を聴いている]

恥ずかしながら、最近になって、エリザベト・ジャケ=ド=ラ=ゲール(Élisabeth Jacquet de La Guerre 1665~1729年)という、フランス・バロック音楽の作曲家、クラヴサン奏者を知りました。彼女は、幼い時から神童と持て囃され、ルイ14世に御前演奏を行い、それからヴィルトゥオーソとして、またルイ14世の寵臣として活動を続けた、当時としてはとても珍しい女性作曲家でありクラヴサン奏者です。Youtubeで彼女の曲の演奏を聴き、すっかり気に入ってしまった私は、クラブサン曲(全曲)とヴァイオリンソナタのCDを入手、機会を見つけてはこまめに聴いています。

入手したCDのうち、最初に聴いたのは「Complete Harsichord Works」と題されたBRILLIANTレーベルの二枚組でした。1687年、彼女が20代前半の時に発表したクラブサン曲集(全四曲)では、あふれ出る音楽的才能を感じることができますが、私がびっくりしたのは1707年に発表されたクラブサン曲集(全二曲)です。音楽的な完成度というか円熟度がぐっと増していて、彼女の音楽的な才能が見事に花開いていると言えば良いのでしょうか。これは素晴らしいですね。聴きごたえがあります。

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こちらが私が入手したFRANCESCA LANFRANCOによる「COMPLETE HARPSICHORD WORKS」(CD二枚組)

Wikipediaによると「ジャケ・ド・ラ・ゲールは、フランスにおける「イタリア趣味」の初期の受容者のひとりである」とのことですが、確かに彼女の中期以降の音楽には(フランス伝統の音楽に加えて)イタリア的な旋律の美しさ、カンタービレも加わった、他の同時期の作曲家とは一味違った音楽的個性を感じます。

もう一つのCD、ヴァイオリンとクラヴサンのためのソナタ(全六曲)はヒロ・黒崎に師事しているスペインの女性ヴァイオリニスト、リナ・トゥル・ボネト(Lina Tur Bonet )によるものです。クラブサン曲集と同じく、1707年に発表されたものですが、こちらも曲としての完成度が素晴らしく、美しいバイオリンの旋律も相まって、聴いている人間を幸せな気持ちにさせてくれます。その歌心には飽きることがありません。

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そしてこちらが「Elisabeth Jacquet de la Guerre: Sonatas para violin」(CD)

こうして私は、新たな曲に出合うことができました。今度は彼女が1695年に発表した、「アルカンジェロ・コレッリの様式とフランス人の音楽趣味を巧みに折衷した」(同じくWikipedia解説文からの引用)と評されるトリオソナタも聴いてみようと思っているところです。


こちらはYoutubeにアップされている「Elisabeth-Claude Jacquet de la Guerre - Suite in A minor」。1687年に発表されたクラブサン曲集の一曲ですが、彼女の豊かな音楽的な才能を十分味わうことができます。それに加えて、Elloit Figgによる演奏は素晴らしいものです。


そしてこちらが「Elisabeth Jacquet de la Guerre- Violin Sonata No.1 in D minor」


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先週、横浜の中古CDショップで久しぶりに中古CDを購入したのですが… [音楽を聴いている]

先週の日曜日に妻をバイト先である横浜本牧まで車で送った後、横浜関内の釣具店で買い物をし、お気に入りのカレー屋さんで昼食を済ませ、最後に近くの中古レコード・CDショップ「ディスクユニオン 横浜関内店/関内ジャズ館」を訪れ、丹念に商品棚を物色した結果、古楽とアルゼンチンタンゴの中古CDを購入して、一人帰途につきました。

購入したのは、ドイツ人の初期バロック音楽の作曲家であるフローベルガー(Johann Jakob Froberger 1616~1667年)のハープシコード作品集(CD二枚組)とアルゼンチン出身の作曲家でありバンドネオン奏者だったアストル・ピアソラ(Astor Piazzolla 1921~1992年)が1987年に発表した「The Rough Dancer and The Cyclical Night」でした。

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こちらが今回購入した中古CD。

家に帰って、さっそく、これらのCDをリビングで聴き始めたのですが、すぐに嫌な予感がして、私は慌てて自室に戻るとロフトに積み上げられたCDケースをチェックし始めました。すると、ありました。どちらのCDもケースに既に収まっています。

やってしまいました(涙)。持っているにも関わらずCDを二度買いしてしまったことは、これまで何度かありましたが(以前、ダブりで買ってしまった時の記事はこちら→https://syoso-chunen.blog.ss-blog.jp/2020-06-22。その後も記事にはしませんでしたが、ちょくちょくやってしまっています)、買ったCD全てが二度買いだったというのは初めてです。はぁ~、なんだかな~。本当にやきが回ってしまったようです。フローベルガーの2枚組は680円、ピアソラの方は580円と安価だったとはいえ、さすがに落ち込みます。もちろんどちらも私の大好きな曲であり、演奏だったことは言うまでもありませんが、複数枚持っていても何の意味もありません。

これからは本当に持っていないと確信が持てるものしか、買わないようにしなければ。というか、当分、中古CDを買うのは自粛しようと決心した次第です。なんとも情けない話で恐縮ですが、ほんと、もう歳ですね。ただただ、悲しい気持ちになりました。もう一回、ちゃんと聴き直せとCDに言われたんだなぁ、と自分を慰めています。


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チェリビダッケの「リスボン・ライブ」を入手しました [音楽を聴いている]

少し前の話になってしまって恐縮ですが、4月9日の日本経済新聞の日曜版「NIKKEI STYLE」の記事を読んで、正規盤が出ていることを知り、慌てて入手したのが「リスボン・ライブ」の名で知られる、1994年にポルトガルのリスボンで、チェリビダッケ(Sergiu Celibidache 1912~1996年)がミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮したブルックナーの交響曲第八番のライブ演奏のCD(二枚組)です。

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ブルックナー:交響曲第8番 セルジュ・チェリビダッケ(指揮)ミュンヘン・フィル(リスボン・ライヴ)

この録音は、長らくプライベート盤(海賊版)しかなかったことから、入手が非常に困難で、ネットオークションなどでも高値で取引される等、話題となっていたものです。今回、やっと正規盤が発売され、こうして簡単に入手できるようになりました。

以前にも書きましたが(その時の記事はこちら→https://syoso-chunen.blog.ss-blog.jp/2013-09-24、この、ルーマニアに生まれドイツで活躍した指揮者チェリビダッケの晩年の演奏、特にブルックナーについては、テンポがとても遅いことで有名でして、そのせいもあってか、音楽がとても「空間的」に聴こえます。結果、ブルックナーのあの長大な音楽をまるで巨大な伽藍の中で聴いているような感覚に襲われることとなります。その魅力は悪魔的と言っても良いものでして、多くの熱狂的なファンに愛されました。

私は正直に言うと、交響曲は苦手な方でして、あまり好んで聴くことはありません。ただ、ブルックナーについては、たまに聴いてみようと思ったりすることがあります(前にブルックナーの交響曲を聴いた時の記事はこちら→https://syoso-chunen.blog.ss-blog.jp/2021-04-20。以前の記事にも書きましたが、ブルックナーの音楽は私にとって、まさしく「夢」の音楽でして、どっぷりハマると超絶的に気持ちが良いのです。

さあ、いつ、この「リスボン・ライブ」を聴きましょうか? 実際、よっぱど時間的な余裕がある時でないと聴くことはできませんし、精神的にも落ち着いた時でないと、とてもブルックナーの音楽に付き合うことは出来ないと思います。なんだか当分の間は私の部屋のCDラックのこやしになってしまいそうですが(汗)、きちんと聴いた際にはこのブログに感想をアップしたいと思います。


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