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三浦しおん著「舟を編む」を読み終えました [本を読んでいる]

昨日、会社の執務室で三浦しおん著「舟を編む」(光文社)を読み終えました。今年2月からNHK-BSで放送中の同名ドラマを見て、原作の小説も読んでみたいと思ったところ、ちょうど家に本があるよと妻から聞き、さっそく読んでみたという訳です。内容は、

出版社の営業部員・馬締光也は、言葉への鋭いセンスを買われ、辞書編集部に引き抜かれた。新しい辞書『大渡海』の完成に向け、彼と編集部の面々の長い長い旅が始まる。定年間近のベテラン編集者。日本語研究に人生を捧げる老学者。辞書作りに情熱を持ち始める同僚たち。そして馬締がついに出会った運命の女性。不器用な人々の思いが胸を打つ本屋大賞受賞作!(以上「Amazon」商品紹介文からの引用)

というもので、とても読みやすく、そしてハートフルな小説でした。元々、この小説は女性向けファッション雑誌「CLASSY」において2009年11月号から2011年7月号に連載されたものでして、そうしたことも、この小説の持つ読みやすさや独特のテンポ感に繋がっているように思えます。

「良い小説を読んだなあ」というのが読後の私の素直な感想です。充実した読書体験を得ることができました。ありがとうございました。

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三浦しおん著「舟を編む」(光文社)。今は光文社文庫において文庫化もされています。ちなみに三浦しおんさんですが、私の次女の中学・高校の先輩でして、出身大学は学部こそ違うものの私と同じです。


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映画「白日青春」を観ました [映画を観ている]

3月1日の午後、横浜、中区若葉町のミニシアター「シネマ・ジャック&ベティ」で映画「白日青春」(英語題:The Sunny Side of the Street 2022年/香港・新加坡)を独りで観ました。ちょうど、その日は予定が何も入っていなかったので久しぶりに映画館で映画を観ようと思い、どの映画にするか迷った挙句、この映画を観ることにしたという訳です。この映画は「香港の名優アンソニー・ウォンが難民の少年と心通わす感動のヒューマンドラマ」(以上、「白日青春」公式HPの紹介文からの引用)というもので、

(アンソニー・ウォン演ずる)タクシー運転手バクヤッは、パキスタン人の難民と事故を起こし、その子供ハッサンを知るようになる。事故で突然父を亡くしたハッサンはギャングの溜まり場に入り浸り、警察にに追われる身となってしまう。守ってくれる人がいない香港で居場所がないと嘆くハッサン。彼の身を案じたバクヤッは、逃亡を助けようとする。しかし、車の中にあった父の遺品を見つけたハッサンは、事故の相手がバクヤッだと分かり…
(以上「白日青春」映画チラシの「story」説明からの引用、()内の分は私が加筆したものです)

といった内容のものです。この111分に亘る映画を見終わった私の正直な感想は「まあ、それなりかな?」というもので、残念ながら感動を得るまでには至りませんでした。ただ、香港におけるパキスタン難民の厳しい現実を知ることが出来たのは良かったです。

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映画「白日青春」ポスター。それこそ、まさに個人的な話になってしまって恐縮ですが、主演のアンソニー・ウォンに、私の亡き父の面影を少しながら見つけられたことがとても印象的でした。それだけで、私は、この映画を観た甲斐があったと思いました。

映画を観終えた後、「シネマ・ジャック&ベティ」の3月の上映スケジュールを確認してみたのですが、観たいなと思った映画は1本くらいでした。とはいえ、また機会を見つけて映画館で映画を観ようと思った次第です。


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アニャ・レヒナーの弾く、グルジエフの音楽にハマっています [音楽を聴いている]

ふとしたきっかけで、インターネット音楽配信サービス「Spotify」でドイツ生まれのチェリスト、アニャ・レヒナー(Anja Lechner 1961年〜)の録音を聴き、アルメニア共和国生まれの神秘主義者で、作曲家、舞踏家としても知られ、主にロシア、フランス、アメリカなどで活動したゲオルギイ・イヴァノヴィチ・グルジエフ(George Ivanovich Gurdjieff 1866〜1949年)の音楽を知りました。

グルジエフは、ロシアの作曲家であるトーマス・ド・ハートマン(1885〜1956年)との共作で、数々のピアノ曲を残した。ハートマンの手記によると、グルジエフはピアノを一本指で弾くことで、あるいは口笛によって旋律を指示し、ハートマンがそれを展開させていくと、さらにグルジエフが新しいパートを加えるなどして、曲が生み出されていった。(以上「Wikipedia」解説文からの引用です)

彼の作曲の動機は自らの教義を実践するためのものだったそうで、彼自身がユーラシアをくまなく旅をした中で採集した音楽を、彼なりに消化し、弟子のハルトマンに伝え、ハルトマンが採譜しながら二人で作曲したということのようです。

彼の音楽は神秘的かつ宗教色に溢れたもので、チェロとピアノによる演奏ながら、私が知る、西洋音楽(クラシック音楽)とはかなり異なった趣きがあります。「風の民」の音楽と言えば良いのでしょうか、非常に静的でありながらドラマティック、かつ悲劇的な物語性を感じます。

私が聴いたのはアニャ・レヒナーが、2003年にギリシャ出身のピアニストで作曲家でもあるヴァシリス・ツァブロプーロス(Vassilis Tsabropoulos 1966年〜)と共演した「Chants,Hymns and Dances(聖歌、讃歌、舞踊)」と、同じく彼女が、2014年にフランスのジャズ・ピアニストで作曲家のフランソワ・クチュリエ(Francois Couturier 1950年〜)と共演した「Moderato cantabile」(どちらもECMレーベル)です。

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「Chants, Hymns and Dances(聖歌、讃歌、舞踊)」

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「Moderato cantabile」

前者にはグルジエフ以外に共演者であるツァブロプーロスの作品、後者も共演者のクチュリエの作品、そしてトルコ生まれでアルメニア国籍の司祭、音楽学者、作曲家であり歌手、合唱指揮者でもあったコミタス(Vartapet Komitas 1869〜1935年)、スペインの作曲家モンポウ(Federico Mompou 1893〜1987年)の作品も演奏されています。どちらも、内容は非常に個性的かつ音楽的魅力に満ちたもので、まったく飽くことがありません。特に前者の「Chants,Hymns and Dances」には多くのグルジエフの音楽が収められているので、彼の音楽を知るには、まずこちらから聴いてみることをお勧めします。

世界には多くの、私がまだ知らない素晴らしい音楽があります。今回、彼の音楽を知ることができて、本当に良かったです。


こちらはYoutubeにアップされている「Gurdjieff Chants "Hymns and Dances" - 01」


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スマホ(Android14)における、みずほダイレクト起動時の不具合について [●●を使っている]

私が使っているスマートフォン「Galaxy S22 SC-51C」ですが(この機種に機種変更したときの記事はこちら→https://syoso-chunen.blog.ss-blog.jp/2023-02-20、Android 14にシステムをアップグレードした後、スマートフォンアプリ「みずほダイレクト」を起動させようとすると、「USBデバックがONになっています。OFFにしてください」と表示され、起動しないトラブルに見舞われるようになりました。とりあえずUSBデバックがONになっているかどうか確認すべく、「設定」を開き、「デバイス情報」をタップ。 次に下へスクロールして「ビルド番号」を7回連続でタップして「開発者向けオプション」を表示させてみたのですが、きちんとOFFになっています。

そこで、「みずほダイレクト」のサービスセンターに問い合わせてみたのですが、スマートフォン本体の問題なので、こちらでの対応は難しいとの回答(トホホ…)。そこで、ネットで色々、調べた結果、「設定」→「セキュリティおよびプライバシー」→「自動ブロッカー」を一度、OFFにしたところ起動できるようなりました。一旦起動できた後は、再度、「自動ブロッカー」をONにしても、起動します。

こうして、なんとか問題は解決しました。このトラブル、他の銀行系のアプリでもおきているようです。今回、私は自身の備忘録として、記事を書きましたが、もし、同様のトラブルで困っている方の参考になれば幸いです。

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こちらは現在の私のスマートフォンのホーム画面


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会社の仲間二人と、箱根の会社の保養所でささやかな宴会をしました [旅をしている]

2月8日の午後、私は自宅から一人で最寄り駅から電車に乗って、小田急線箱根湯本駅へと向かいました。この日、昔、同じ部署で部下だった仲間の男二人とこの駅で落ち合い、箱根仙石原にある会社の役員用保養施設に泊まることになっています。なんとか待ち合わせ時間に間に合い合流した後、駅近くのお店でビールや日本酒やツマミを購入、タクシーに乗って、その保養所へと向かいました。

前にも書きましたが(前回、この施設に友人家族と泊まったときの記事はこちら→https://syoso-chunen.blog.ss-blog.jp/2023-10-18、この保養所、元々は池田元首相の別荘だったものを勤務先の会社が購入、役員用の宿泊保養施設として使われてきたのですが、2011年の東日本大震災の時に建物が痛んでしまい、その後三年ほどかけて耐震・改修工事を行い、新たに役員用の宿泊保養施設としてリニュアルされたものです。お陰で今も当時の雰囲気そのままの風情と情緒を楽しむことができます。

二日ほど前に関東では大雪が降ったこともあり、まだ施設付近は一部、雪に覆われていました(道路は除雪済)。さっそく建物の中に入って、管理人さんに挨拶を済ませた後、部屋で、買ってきたツマミのわさび漬けとかまぼこをつまみながらビールを飲んでいると(私は一足先に保養所の温泉風呂につからせて頂きました)夕食の時間です。私達は上機嫌でダイニングルームへと向かいました。

今回、この保養所に泊まることになったのは、仲間の一人が3月末で転職することになり、その送別と慰労を兼ねてでした。今まで一度も転職したことがない私なんかより、彼は遥かに豊かな人生を送ることとなるのでしょう。彼の勇気ある決断には感心するばかりで、心から応援したいと思った次第です。とはいえ、そんなことを一切、彼には伝えないまま(おいおいっ)、私たちはただただ食事と酒を楽しみ、部屋に戻ってからも酒を飲み交わしました(私は先にダウンしてしまいましたが…)。

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その日の夕食の一部。お酒を飲みながら話し込んでいるうちに、料理の写真を撮ることなど、すっかり忘れてしまいました。

翌朝は天気も良く、保養所からは見事な富士山を眺めることができました。朝食を済ませ、それぞれ雑事などを終えた後、管理人さんにタクシーを呼んでもらい、箱根湯本駅へと向かいます。駅前で降り立ったものの、何もすることがない私たちは、お店でお土産などを買った後、駅近くの蕎麦屋に入って宴会の続きをすることにしました。まだ、そんなにお腹の空いてなかった私たちは、ちょっとしたおつまみをつまみながら、ビールを飲み、冷酒を飲みはじめ、結局三時間余り、冷酒の小瓶ながら七本程空けたところで(汗)、小さな蕎麦屋の小上がりの座敷での宴会は終了。それぞれ電車にのって帰路につきました。

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保養所のダイニングルームから眺めた富士山の様子。下の写真はスマホの望遠機能を使って撮ったものです。

どうやって帰ったのか、記憶が曖昧なままながらも(汗)、私は何とか無事に自宅に帰りつくことが出来ました。こうして、忘れることのできない三人の思い出ができました。私はこの一泊二日の短い旅行を一生忘れることはないでしょう。

ちなみにその後、受けた健康診断で分かったのですが、このような暴飲暴食が祟ったのか、私の体重はいつもより3kgも増えてしまっていました。さすがにダイエットしなきゃと心に誓った次第です。(°O゜)☆\(^^;) バキ!


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62歳になりました [考えている]

私事で恐縮ですが、今月で62歳になりました。正直に言って、感慨のようなものは全く感じることはありません。感じるのは焦燥感そのものです。私は一体、これまで何をやってきたのだろう? 何もかもが中途半端なように思われます。いつの間にか、こうして歳を取ってしまいました。

仕事はとりあえず65歳までは続けることとなりそうですが、その後の展望は全く描けていません。加齢による体力、そして知力や記憶力の低下も、だんだん激しくなっているように思われます。なんだか自分が情けなくなることも増えてきました。世の、62歳の男性諸君はどんな感じなんだろう? 多分、それこそ千差万別なのでしょうね。比較すること自体、全く無意味なようにも感じます。

とはいえ、私は生きていくのでしょう。出来ることが次第に少なくなっていくなかだからこそ、慎重かつ大胆な決断が今こそ求められているのだと思います。音楽を聴くこと、本を読むこと、体を動かすこと、ジャズピアノを練習すること、そして、何といっても勉強することといった、自身の基本的な生き方そのものをもう一度、きちんと自分なりに見直して、何もかも思いつきでやるのではなく、取捨選択しながら自身の日々の生活をしっかりと立て直していくことが、今、まさに求められていることだと痛感します。

60歳を超えると、歳をとること自体、決してうれしい事ではありませんが、こうして、これまでの人生を思い返して、また、新たな決意を持って生きていこうと気持ちを新たにした次第です。


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大阪出張時に入手した中古レコードについて(2) [音楽を聴いている]

以前の記事で2月2日(金)から3日(土)にかけて、一泊二日で大阪に出張し、北区堂山町にある「ディスクユニオン 大阪店・大阪クラシック店」で中古レコードを物色、クラシック音楽の中古レコードを二枚、ジャズの中古レコードを一枚購入したことを書きましたが(その記事はこちら→https://syoso-chunen.blog.ss-blog.jp/2024-02-13、今回のその中から、ジャズのレコードを紹介したいと思います。

それは「FOUR ALTOS」という名の、1957年に録音されたプレスティッジ・レーベルの企画物のレコードでして、その名の通り、当時の若手4人のアルトサックスプレーヤー、フィル・ウッズ(Phil Woods 1931~2015年)、ジーン・クイル(Gene Quill 1927~1988年)、サヒブ・シハブ(Sahib Shihab 1925~1989年)、ハル・ステイン(Hal Stein 1928~2008年)の競演盤となっています。といってもバトルをしている訳ではなく、4人のアンサンブルの後、それぞれがソロを吹くといった感じで、チャーリー・パーカーの正当的な後継者よろしく、それぞれ、とても気持ちの良いブローを聴かせてくれます(ただ、私の駄耳ではどのソロを誰が演奏しているかは全く分かりませんでした)。

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こちらが今回私が入手した「FOUR ALTOS」(日本ビクター国内盤 中古レコード)

実はこのアルバムにおいて、もっとも注目すべきはピアノのマル・ウォルドロン(Mal Waldron 1925~ 2002年)ではないかと思います。実際、このアルバムではA面一曲目の「Pedal Eyes」とB面の最後の「Staggers」の二曲を提供している上、どの曲においても彼のセンスに満ちたピアノは本当に印象的でした。

レコード会社の企画物というと、ハナから馬鹿にする方もいるようですが、このアルバムについては、私自身、聴いていて、とても楽しく感じましたし、なかなかの佳作だと思いました。

実は、ジャケットデザイン(一番上の電線にとまっている、これから飛び立とう4羽の鳥「バード」をあらわしています)に惹かれて、つい買ってしまったレコードなのですが、楽しい音楽体験を得ることができました。機会があれば、是非、ジャズ喫茶店などでリクエストして聴いてみて下さい。「なかなか、いいセンスしてるね」などと、お店のマスターに褒められるかもしれませんよ(笑)。


こちらはYoutubeにアップされている「Pedal Eyes - Woods, Quill, Shihab, Stein」


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大阪出張時に入手した中古レコードについて(1) [音楽を聴いている]

前の記事で2月2日(金)から3日(土)にかけて、一泊二日で大阪に出張し、北区堂山町にある「ディスクユニオン 大阪店・大阪クラシック店」で中古レコードを物色、クラシック音楽の中古レコードを二枚、ジャズの中古レコードを一枚購入したことを書きましたが(その記事はこちら→https://syoso-chunen.blog.ss-blog.jp/2024-02-13、今回のその中の一枚を紹介したいと思います。

それは「MENDELSSOHN RECITAL」という、ブラジルの女流ピアニストであるギオマール・ノヴァエス(Guiomar Novaes 1895~1979年)が演奏したレコード(米VOXオリジナル盤 1961年発売)でして、ジャケットは痛みが目立ったものの、690円という売値に惹かれて購入しました(汗)。

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こちらが、私が入手したギオマール・ノヴァエス「MENDELSSOHN RECITAL」。ジャケットは痛みがありますが、レコードの方は傷一つない美しいものでした。この時期のレコードは厚みがあり、手にすると、ずっしりとした重さが感じられ、それだけで嬉しくなってしまいます。

ギオマール・ノヴァエスは日本では余り知られていないようですが、「20世紀の最も偉大なピアニストの一人に数えられている」(以上、Wikepedia解説文からの引用)、私が大好きなピアニストです。さっそく出張から帰った当日の夜、横浜の自室で一人、じっくりと聴いてみたのですが、何といえば良いのでしょう。ピアノの豊潤な響きに満ちた、ロマンティックながらも、落ち着いた佇まいが見事な演奏でした。聴いているうちに、時空が歪むというか、まったく別の時間軸が目の前に出現したかのような錯覚を覚えます。私が、これまで聴いた無言歌集の録音の中で、一番、素晴らしいものかもしれません。本当に驚かされました。

前にも書きましたが、彼女の録音の多くはCDで復刻されており、私も何枚かのCDを持っているのですが、何故か米VOXの復刻盤のCDは、オリジナルのものと比べると音が貧弱になってしまっていて、彼女の演奏の本来の魅力を十二分に伝えるものになっていないように感じられる点は本当に残念です。機会があれば、是非、オリジナルのレコードで、彼女の演奏を聴いてみて欲しいと思います。

私が歳を取ったということなのでしょうか、最近はメンデルスゾーンの無言歌集やブラームスの間奏曲といった、ピアノの小曲に心を惹かれることが多くなってきました。音楽に求めるものが若い時とはかなり変わってきたのを感じます。まあ、そういうことなのでしょう。


こちらはYoutubeにアップされている「Guiomar Novaes plays Gluck - Sgambati Melodie from "Orfeo e Euridice"」。1969年のリオデジャネイロでのライブ演奏(おそらくアンコール曲かと思われます)です。本文で紹介したノヴァエスの無言歌集については現在、CD化はされていないようです。Sportifyでは同録音と思われる演奏を聴くことはできますが、米オリジナル盤と比べると曲順が変わっていて、音質も少し劣っているように感じられます。残念です。


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2月2日から一泊二日で大阪に出張しました [旅をしている]

2月2日(金)から3日(土)にかけて、一泊二日で大阪に出張しました。大阪を訪れるのは1年10か月ぶりです(前回、訪れた時の記事はこちら→https://syoso-chunen.blog.ss-blog.jp/2022-04-19。初日は関西支社の幹部社員と打ち合わせを複数回行い、夜は彼らと会食や懇親をし、深夜まで飲んだりとバタバタとした一日を過ごしたのですが、二日目は土曜日ということもあって仕事もなく、二日酔いながらも帰りの午後2時過ぎに新大阪駅発の新幹線まではのんびり自由に動くことができます。そこで、同行していた会社の仲間一人と宿泊していた北新地のホテルのロビーで待ち合わせをして、のんびり喫茶店でコーヒを飲んだ後、歩きながら、同じ北区堂山町にある「ディスクユニオン 大阪店・大阪クラシック店」で中古レコードを物色、クラシック音楽の中古レコードを二枚、ジャズの中古レコードを一枚購入した後、タクシー乗って、難波へと向かいました。

一緒にいる同行者は食通な上、以前、関西支社にいたこともあって、大阪の食事情にとても詳しく、今回、とっておきのお店に私を連れて行ってくれるとのこと。向かったのは難波の大通りからちょっと小道に入ったところにある焼肉店「多平」です。とても魅力的な外観に見惚れながら店内に入ると、歴史を感じさせながらも、ピカピカに磨き上げられた、こじんまりとした店内の様子に、私の気分はもう、最高潮です。

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大阪、難波の焼肉屋「多平」の外観

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そして店内の様子

関西支社の女性社員も合流し、計三名でビールや日本酒、ハイボールなどを飲みながら、焼肉を楽しんだのですが、本当に美味しかったです。キムチをつまみながら、ウルテ(牛の気管の軟骨部分のお肉)、ツラミ(牛の頬肉)や赤セン(牛の胃袋)、そしてハラミ(牛の横隔膜の筋肉の背中側)やカイノミ(牛のわき腹に位置する「トモバラ」の中でも後ろ側、ヒレの近くの部位の肉)といった、どれも絶品としか言いようのないお肉を頂きました。また、これらの肉に、お店の少し甘めのタレが本当に良く合っていて、飽きることがありません。これまで私が食べた焼肉の中でも、間違いなくトップクラスの味でした。

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ウルテやツラミを焼いている様子。同行者からハラミはお店のブレンド米と一緒に食べると美味しいと聞き、その通りにしたところ、本当に絶品と言って良い美味しさでした。

そしてお店の方々の一見、素っ気ないとも思える応対含め、なんというか店としての佇まいが、本当に気持ちよかったのも印象的でした。

お店を出た後、近くの、これまた同行者推薦の「二見の肉まん」で肉まんを六個、お土産に買って新大阪行きの電車に乗り込みました。こうして今回の、一泊二日の関西出張は、私にとって、忘れられない「旅」になりました。

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大阪、難波の「二見の肉まん」

ちなみに、帰宅した翌日、妻と、肉まんを頂いたのですが、玉ねぎの甘さが際立っていて、とても美味しかったです。関西では「二見の肉まん」は「551蓬莱」と人気を二分するとのことですが(「二見の肉まん」を買うことができるのは、この難波の一店舗のみ)、さもありなんと思った次第です。


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新大阪に向かう新幹線の車内で千葉雅也著「現代思想入門」を読み終えました [本を読んでいる]

2月2日の金曜日、仕事で新大阪に向かう新幹線の車内で千葉雅也著「現代思想入門」(講談社現代新書)を読み終えました。この本は1960年代から90年代を中心に、主にフランスで展開された「ポスト構造主義」哲学の入門書です。三巨頭であるジャック・デリダ((Jacques Derrida 1930〜2004年)、ジル・ドゥルーズ(Gilles Deleuze 1925年〜1995年)、ミシェル・フーコー(Michel Foucault 1926〜1984年)の思想を中心に、それらの思想の源流となったニーチェ、フロイト、マルクス、そして現代思想と切ってきれない関係にある精神分析学者のラカン、ドクマ人類学という新たな領域を切り開いたルジャンドル、そして三巨頭の後、「ポスト・ポスト構造主義」の哲学者であるハーマン、ラリュエルといった思想家たちの思索を、非常に分かりやすく解説しています。

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千葉雅也著「現代思想入門」(講談社現代新書)

私は大学時代、浅田彰(あさだ あきら 1957年〜)の「逃走論」(1984年)や中沢新一(なかざわ しんいち 1950年〜)の「チベットのモーツァルト」(1984年)に夢中になった世代ということもあって、一種の懐かしさを感じながら、この本を読みました。

今の若い人たちにとって、こうした「ポスト構造主義」が、どのように捉えられているのかは分かりませんが、こうした現代哲学の試みというのはとても大切にすべきものではないかと思います。その意味において、この新書の持つ意義は大きいと感じました。

特にこれまで私があまり知らなかったラカンの精神分析における思想が、分かりやすく解説されていたのは嬉しかったです。そして私が非常に感じ入ったのは、本書の129P「物語的意味の下でうごめくリズミカルな構造」という部分です。これは私の雑感ですが、現代カルチャーにおいて「物語性」というのは、特別な意味を持っているように感じられます。ありとあらゆる「物語」が満ち溢れる、この現代において、その文脈の下でうごめいているリズミカルなものの動きを感じ取るセンスと根性こそが、今、私達に求められているのではないかと思いました。

また、この本では、これらの思想を解説する多くの入門書が紹介されています。これから折を見て、こうした入門書を読んでみようと決意した次第です。

「本書で紹介されている主な現代思想の入門書」
 私が勝手に抜き出したものですので、もしかしたらもれなどあるかも知れません。
 その点、ご容赦ください。
 飯田隆「規則と意味のパラドックス」(ちくま学芸文庫)
 東浩紀「存在論的、郵便的-ジャック·デリダについて」(新潮社)
 高橋哲哉「デリダ-脱構築と正義」(講談社学術文庫)
 芳川泰久・堀千晶「ドゥルーズ キーワード99」(せりか書房)
 檜垣立哉「ドゥルーズ 解けない問いを生きる」(ちくま学芸文庫)
 国分功一郎「ドゥルーズの哲学原理」(岩波現代全書)
 宇野邦一「ドゥルーズ 流動の哲学」(講談社学術文庫)
 慎改康之「ミシェル・フーコー-自己から抜け出すための哲学」(岩波新書)
 原和之「ラカン-哲学空間のエクソダス」(講談社選書メチエ)
 向井雅明「ラカン入門」(ちくま学芸文庫)
 片岡一竹「疾風怒涛精神分析入門-ジャック・ラカン的生き方のススメ」(誠信書房)
 松本卓也「人はみな妄想する-ジャック・ラカンと鑑別診断の思想」(青土社)


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